「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

来季のマリノスは28人前後の体制。金井と前田直輝の加入で31名。しかし最も重要な仕事はまだ完遂されていない。 [来季のチーム編成についてvol.4] 藤井雅彦

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年末が近づき、クラブから移籍加入の正式リリースが相次いだ。まず29日にジェフユナイテッド市原・千葉からDF金井貢史が復帰し、30日には東京ヴェルディに所属していたMF前田直輝の加入が発表された。

前者は層の薄いSBを左右両方こなせる選手として重宝するだろう。2012年まで在籍していた育成組織出身選手なのだからコミュニケーション面での不安は皆無。チームメイトの多くが彼のプレースタイルを理解しており、金井自身も周りを知っている。右SB小林祐三と左SB下平匠はいずれも実力と経験を備える選手だが、明日いきなり金井を起用しても遜色ないレベルでプレーできる。両SBの既存レギュラーと激しいポジション争いを繰り広げるレギュラー候補として期待したい。

前田については、正直言って未知数な部分が多い。2015年は松本山雅に期限付き移籍してJ1のレベルを経験した。そこでの活躍が認められてU-22日本代表に選出されるまでに成長したわけだが、松本とマリノスではすべてが違う。また、金井と違ってチームに慣れるまでにそれなりの時間が必要だろう。特に前線の選手という意味で、中村俊輔と呼吸を合わせるのはスタメン定着の必須条件となる。性格など内面的な部分は不透明だが、個性の強いマリノスに馴染むには自己主張と協調性の両方が必要だ。

それでもなお、期限付き移籍が満了となる見込みのアデミウソンの抜けたサイドMFとして前田にかかる期待は大きい。左利きという特性もあり、個で局面を打開できる貴重なプレーヤーだ。齋藤学の海外移籍について具体的な話が聞こえてこない状況とはいえ、いずれにしても手薄なポジションであることは間違いない。右ひざの負傷から復帰してくるアタッカー・仲川輝人とともに来季のキーマンになるかもしれない。

金井と前田の獲得は『来季のチーム編成についてvol.3』で述べた「サイドバックとアタッカーの補強」を実現した形だ。とはいえ手薄なポジションをしっかり穴埋めしたという点では評価できるが、強化という観点ではまだまだ足りない。

以下、現時点でマリノスが保有する選手一覧だ。

 

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tags: 前田直輝 金井貢史

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