「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ジュニアユースくらいからFC東京と試合をするときは、メチャクチャ燃えてました [前田直輝インタビューvol.3]

実施日:2月7日
場所:シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート
聞き手:藤井 雅彦

Vol.2からつづく→

 

――F・マリノスに移籍したことは、ある意味で“スタート”だと思います。これからの未来予想図を聞かせてください。

「自分では、自分の考え方が変わっていると思っています。サッカー選手としておおまかな目標はあります。『W杯に出る』、『日本代表になる』といったことです。ただ、矛盾しているかもしれないけど、将来そうなるための目標はありません。あくまで1年ごとの目標しか立てていないんです。
去年であれば、松本がJ1に残留して、自分自身は完全移籍でオファーを受けるようなプレーを目指し、数字としては公式戦5得点を目標にしていました。いまも2年後の目標はまったく考えていなくて、今年1年のことだけを考えています。将来的な目標はあるのに、少し先のことは全然考えられないんです(苦笑)。
今年は開幕戦からレギュラーになって、五輪がある夏までにテグさん(手倉森誠五輪代表監督)の目に留まるような活躍をして、五輪代表メンバーに入りたい。そのうえで今年は公式戦10得点を目指しています」

――目の前の1年間に限れば、ものすごく明確な目標設定がありますね。

「1年間だけはあります。考えて、言葉に発しないと目標設定にならない。それを始めたのは高校3年生になってプロを意識し始めたときからです。高校3年生になる前のちょうど今頃の時期に、ヴェルディユースで同期の中島翔哉(現・FC東京)と吉野恭平(現・サンフレッチェ広島)が二種登録されたんです。それなのにオレはキャンプにも参加できず、悔しい思いをしました。
だから高校3年生になって、まず二種登録選手になるという目標を家族と一緒に立てたんです。そうしたら開幕して間もなくトップチームの紅白戦に出る機会があって、そこで2得点したんです。そうしたら当時のトップチームの監督である川勝さんが『二種登録しなさい』と言ってくれて、そのときに目標を達成できたときの喜びを初めて知りました。プロになりたいという大雑把な目標ではなく、二種登録されて、その間にデビューするというもう少し具体的な目標を立てたら、思い通りになったときの達成感が大きかった。だからプロになってからは毎年目標を決めていますし、それを達成することでステップアップできると思うんです」

――なんとなく、で過ごしていても成長しないということですね?

「自分は強くないし、人に流されやすいんです(苦笑)。オンとオフがはっきりしていればいいと思うけど、昔はオンの場面にもオフを持ち込んでいました。
少し前の話になるけど、松本に期限付き移籍するときはすごく悩みました。ヴェルディは小学校3年生のときからずっと過ごしていた第二の家でした。ずっと同じクラブハウスとグラウンドで生活していましたから。だから移籍についてはすごく迷ったけど、ステップアップするために決意しました。それによって自分に対する甘さがなくなり、オフをオンに持ち込むことはもうなくなりました」

――そして、今年は東京ヴェルディからF・マリノスへの完全移籍を決意しました。

 

 

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