「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

不甲斐ない敗戦 -ここだけ練習試合レポ- 12月2日 練習試合 杭州緑城U-19戦/【Players Pick Up】奈良輪雄太

スイッチを入れる選手の不在

リーグ最終節の翌日、Bチームがマリノスタウンで杭州緑城U-19と練習試合を行った。中国スーパーリーグの杭州緑城は岡田武史が監督を務めており、スタンドの関係者席には同監督の他に加茂周氏の姿もあった。

1本目はGKが六反勇治、4バックが右から天野貴史、青山直晃、金井貢史、比嘉祐介。ボランチがアンドリューと狩野健太、右サイドハーフに森谷賢太郎、左に松本怜。2トップが谷口博之と大黒将志。先週から紅白戦にも参加するようになった小椋祥平の出場はなかった。

結果は1-2(1本目0-1、2本目1-1)。

1本目の前半は守備ブロックを高く押し上げながら相手ボールホルダーにプレッシャーをかけ、良い奪い方からのカウンターも何度か見られるマリノスのペースだった。しかし杭州緑城U-19は組織としてまとまりがありフィジカルも強く、徐々に落ち着いて後方からボールを回すようになり互角の展開となる。

24分に高いDFラインの裏のスペースにパスを通され、抜け出した選手にGK六反もかわされて先制点を許す。青山がハーフウェイライン付近でFWへのクサビのパスを潰しに行くが奪い切れず、そこでできたギャップを使われる練習試合で多い失点パターン。金井や天野、比嘉のスペース管理に問題があった。

リードを許したマリノスはリズムを崩し、相手ボールホルダーに対し誰も距離を詰めず後手にまわるシーンが増える。ベンチで指揮を執る小林ヘッドコーチからは、「誰か(守備の)スイッチを入れろ!」との声があがった。中町がレギュラーに定着以降のBチームはプレーと声で周囲を叱咤する仕切り役を失い、組織的な連動性を欠く。CKから何度か惜しいチャンスも作ったが1本目は消化不良のまま、0-1で終了した。

最後に気概は見せるも、不甲斐ない敗戦

2本目は天野に代わり右SBに奈良輪雄太(SAGAWA SHIGA FC)が入り、比嘉に代わった松本翔が右サイドハーフ、森谷がボランチ、アンドリューがCB、金井が左SBにスライドした。10分に足を傷めた青山が下がり、比嘉が左SB、金井がCBに戻った。30分には大黒に代わり天野が右SHで再出場、松本怜がFWに。35分には全く良いところのなかったアンドリューに代わり、CBに内田大貴(テスト生)が入った。

2本目も攻守にチームとしての機能性を欠き、15分に自陣でのボールロストから右サイドを崩され失点。人は足りていてもボールへの寄せが甘く奪い切れない、相手に余裕を持ってプレーさせるシーンが多過ぎた。右SBの奈良輪がスピードを生かし単独でボールを運び、何度かチャンスの起点となるがゴール前で最後のクロス、シュートに精度を欠きゴールを奪えず。

残り5分から、ようやくチーム全体で果敢な連続攻撃を見せ、44分に比嘉のクロスのこぼれ球をエリア内で天野が拾い、フリーの松本翔につないでゴールが生まれたが反撃もここまで。U-19チームを相手に不甲斐ない敗戦となった。

「練習試合」と言っても、リーグ中断期間にレギュラー組がコンディションや試合勘を維持するための調整試合とは意味が異なる。公式戦に先発できていないBチームの選手たちにとっては、ここがアピールの場であり、戦いの場なのだ。レギュラーチームは底上げと戦術理解、コンセプト達成度が上昇しているが、

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