「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

試合がもつれて後半勝負になれば、ベンチに控えている齋藤の価値が増す [1st7節磐田戦プレビュー]

 

左太もも裏痛で浦和レッズ戦を欠場した齋藤学の出場可否は、金曜日まで決断が持ち越された。木曜日時点でエリク・モンバエルツ監督は「まだわからない。明日、決断する」と慎重にコメント。試合前日まで猶予を設け、プレーできるかどうかを確認したうえで遠征メンバーを決める方針を明かした。

 それは指揮官として「できるなら、プレーさせたい」という意向の表れだ。試合開始から押し込まれる苦しい展開だった浦和戦のあとだけに、その思いはがさらに強くなっても不思議ではない。「(齋藤が)いれば勝てる可能性は増えただろう」。“たられば”ではなく、可能性の話だけならば、その発言に間違いはない。

一方で筋肉系の故障のため、再発のリスクも考慮しなければいけない。たとえば足首のねん挫や打撲とは意味合いがまったく違う。再発してしまうと復帰までに長い時間がかかり、この先も負傷の恐怖と隣り合わせになるかもしれない。スピードタイプの選手だけに、不安は尽きない。

結果としてモンバエルツ監督は「いい方向に進んでいると思う。だからグループに入れた」と話し、遠征メンバーに帯同させることを明言した。試合前日の練習ではフォーメーション練習にも参加し、最後はレギュラー組の左MFでプレーした。齋藤は「試合前日から練習に合流して自分がメンバーに入って、それによってメンバーに入らなかった選手もいる。いろいろな思いを背負いながらプレーしなければいけない」と決意を口にしている。

 

 

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気になる起用法は、試合途中からのスーパーサブとしての役割になるだろう。「90分というリスクはとらない。でも、まずグループに入ることが重要」(モンバエルツ監督)。試合がもつれて後半勝負になれば、ベンチに控えている齋藤の価値が増す。期待されているのは短い時間でのひと仕事だ。先制し、そのまま試合を終えられるならば、無理に起用しなくてもいい。

齋藤の戦列復帰は明るいニュースで、浦和戦でストップした連勝街道を再び突き進むきっかけにしたい。4月に入ってガンバ大阪に勝利し、浦和と引き分けた。リーグ上位の力を持つ2チームから獲得した勝ち点4は、悪い結果ではない。特に浦和戦は苦しい展開ながら勝ち点1を拾った。その価値を高める意味でも、ジュビロ磐田戦は重要度を増した。

ここは勝ち点3が必要な試合だ。そして上位陣に食らいついていきたい。今後に楽しみをつなぐための大切なゲームだ。

 

 

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