「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

持っているストロングポイントを最大限に活用し、3試合ぶりの勝ち点3をもぎ取りたい [2nd6節名古屋戦プレビュー]

 

前節のジュビロ磐田戦で中村俊輔が左足甲を負傷。今週に入って月曜日と火曜日は通常通りのメニューをこなしたが、水曜日の朝になって痛みが増したという。その後、チーム本隊から離れてMRI検査などを行った。診断結果は大きな負傷ではなかったようでひと安心だが、試合前日の29日時点でチームに合流できていない。「今週末は難しい」というエリク・モンバエルツ監督のコメントを引用するまでもなく、明日の名古屋グランパス戦は欠場となる。

 この事態をうけて、マリノスはシステムを[4-4-2]にして名古屋戦に臨む。もはや“戻す”というべきか“変更”なのかわからない。おそらく、これは我々のような仕事の人間が気にしているだけで、大きな問題ではないのだろう。ここ2試合の中村はトップ下でスタートしながらもFWのような裏抜けを繰り返した。その仕事が適正かどうかは別として、少なくとも自陣に引いてビルドアップに参加する場面はほとんどなかった。指揮官が求める「相手の裏を狙ってチャンスを作る」という動作を体現していた。

もちろん中村ではなく富樫敬真が先発することで、その傾向はより強まるだろう。積極的に裏を狙う富樫と、セカンドトップタイプで引いてボールに触りたがるカイケの相性は悪くない。齋藤学やマルティノスの仕事も整理され、よりスピーディーな攻撃が実現できるだろう。

気をつけたいのは磐田戦のように中盤が間延びして、闇雲に相手にスペースを与えることだ。それを理解している齋藤は「イケイケサッカーになりつつあるので、それを自分たちでコントロールできるようになったらもっと強いチームになる」と自戒の念を込めて言った。試合展開やスコア状況によって柔軟に戦い、相手の出方を踏まえた上で対応力を求められる試合だ。

 

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 対戦相手の名古屋は現在13試合勝ちなしと、チームはどん底状態にある。14試合前の白星が5月4日で、その相手はマリノスだった。ずいぶん昔の話のように思えるが、あれから名古屋は勝っていない。2ndステージ最下位で、年間順位でも17位と降格圏に沈んでいる。この一戦に向けて非公開練習で牙を研いでいた模様で、メンバーやシステムがこれまでと違う可能性はある。

しかしながら、マリノスにとってはあまり関係ない話だ。前述したように相手の出方次第で対応力を求められるが、それよりも自分たちの強みを生かすことが勝利への最短距離となる。名古屋の最終ラインは4バックでも3バックでも耐久力に欠け、スピードにも秀でていない。齋藤とマルティノスが何度も仕掛ければ、どこかで破綻する。いま持っているストロングポイントを最大限に活用し、3試合ぶりの勝ち点3をもぎ取りたい。

 

 

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