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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

齋藤は別格の輝きを放ったが・・・ [2nd10節 鹿島戦レビュー]

 

どうしても勝ち点3が必要な試合だった。勝ち点で並ぶ川崎フロンターレと浦和レッズが揃って負けるとは想像できなかったが、実際そうなったのだから勝ち点差を詰める、願ってもないチャンスだった。勝ち点1を獲得したことで勝ち点差は『5』に縮まったが、勝ち点差『3』にするチャンスは十分にあった。それができなかったという点で、鹿島アントラーズ戦の結果に満足することはできない。

 あっさりと先制を許したが、前半終了間際に同点に追いつき、後半に入ってからも試合を優位に進めた。その結果、相手のミスを見逃さなかった齋藤学が彼らしい逆転ゴールを決めた。残り時間を考えても、ほぼ完璧なゴールだ。あとはマリノスらしく守備に軸足を置き、逃げ切り勝ちを収めるだけだった。

失点直前、エリク・モンバエルツ監督は左SBの金井貢史に代えてCB栗原勇蔵を投入した。これによって遠藤渓太が左SBに移り、栗原は3バックの中央に入った。「3バックというか5バックのイメージ」(栗原)である。遠藤のいた右サイドハーフがいなくなるという歪な布陣ではあったが、後半途中から何度も突破されていた左サイドに蓋をするための采配であることは容易に想像できた。

しかし、結果は左サイドを鹿島の右サイドコンビ(西大伍&伊東幸敏)に突破されて決定的なクロスを許した。厚みを増した中央守備陣がクロスを弾き返せればよかったのだが、ボールの行き先には先制ゴールを挙げた鈴木優磨がいた。最後のシュートを許したファブリシオへの寄せも甘く、人数はいるのに足が止まってしまった。これについては指揮官の責任ではない。

 

 

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 とはいえ采配については精査する必要がある。そもそも遠藤にサイドの守備を任せる能力があったかどうか。これまで遠藤や前田直輝をSBで起用する試合は何度かあったが、その多くはビハインドを追いかける展開での攻撃的な采配だった。つまり守備面は度外視した攻撃的な布陣への変更である。この試合の配置変更とは意味が大きく違う。遠藤はスピードがあり、さらに若さも魅力な選手だ。ただ、その選手の使い方としては適当とは言い難かった。

この日も齋藤頼みの攻撃は相変わらずだったが、その齋藤が別格の輝きを放った。わかりやすく言えば“大当たり”の日である。齋藤は押しも押されもせぬ攻撃の核だが、毎試合これだけのパフォーマンスを発揮できるわけではない。前節のFC東京戦のように沈黙する試合だってあるのだ。

攻撃の核が大活躍した日に勝ち星を取れなかったのは大きな痛手だ。

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