「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「ルヴァンカップに出場して、たった5分でも楽しかった。だから・・」 仲川輝人期限付き移籍 [天皇杯2回戦 福島戦プレビュー]

 

ルヴァンカップ準々決勝第2戦から中2日で天皇杯2回戦を戦う。マリノスは大宮アルディージャを1-0で下し、アウェイゴールルールを駆使して準決勝進出を果たした。リーグ戦では停滞傾向にあるが、カップ戦ではタイトルを狙える位置にいる。その勢いを利して、天皇杯という異なる大会も勝ち進みたい。

 注目は、先発でピッチに立つ11人がどのような顔ぶれになるか。大宮戦翌日の5日はリカバリーに努め、試合前日の6日も軽めのメニューに終始した。そのため練習内容から先発メンバーを予想するのは非常に困難だ。ちなみに6日の練習に中村俊輔が部分合流したが、公式戦復帰はもう少し先になりそうである。

スタメンについては指揮官のコメントから推測するしかない。エリク・モンバエルツ監督は「あまりたくさんの選手を代えるのは難しい。いずれにせよチームのベースをキープしたまま戦いたい」と話した。この言葉をそのまま受け取るならば、大幅な先発変更は考えにくく、主力選手の多くが出場するだろう。

その中でもGKは榎本哲也ではなく飯倉大樹が先発する模様で、右MFはマルティノスがベンチに控え、前田直輝がピッチに立つようだ。ほかのポジションでは、負傷から復帰した中町公祐が先発するかもしれない。予想では兵藤慎剛にしているが、中町には先発か途中出場で必ず出番がやってくる。そして38歳の中澤佑二も、ここまでの疲労を考慮して新井一耀に出番を譲る可能性がある。

大幅にメンバーを入れ替えるわけではなく、攻撃の核となる齋藤学もいる。チームスタイルが大きく変わる心配は少なく、それよりも心身の疲労が気になる。大宮とのゲームでは選手が全力で戦ったからこそ勝ち上がりをつかみ、その反動は思いのほか大きいかもしれない。試合の入り方を間違えると、格下とはいえJ3の福島ユナイテッドFCの勢いに苦しむかもしれない。早い時間帯に先制点を奪って勝負を決めるのが理想だ。

また、この日に仲川輝人がJ2の町田ゼルビアに期限付き移籍することが発表された。

 

 

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第2登録ウインドーは7月29日に終了しているが、2016年2月1日時点で23歳だったため育成型期限付き移籍が可能だった。2015年に専修大から加入した仲川は、今季のリーグ戦で4試合に途中出場したが、先発は一度もなし。今夏以降は出場機会を求めて移籍先を探しており、アタッカーを探していた町田と思惑が合致した。

以下は仲川本人のコメントだ。

「ルヴァンカップ準々決勝の第1戦にラスト5分くらい出場して、やっぱり試合は楽しいと感じた。たった5分でも楽しかったし、うれしかった。だからもっと試合に出たいという気持ちになった。試合に出ることで成長する自分に期待している。加入して1年半以上経過したけど、大けがをした自分を獲得してくれたマリノスに何も恩返ししていない。マリノスに何も残していない。移籍決断はすごく悩んだけど、試合に出て自分を成長させたい。けがなくプレーして、結果を残す。そのあとマリノスに恩返ししたい」

 相手最終ラインの裏に抜け出すスピードとタイミングの取り方は天性の才能だ。J1でも出場機会を得ていればゴールを量産していた可能性がある。その能力をJ2の舞台で存分に見せつけ、目に見える結果を残してマリノスに帰ってくることを願いたい。

 

 

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