「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

トップ下に前田直輝か。切れ味鋭いドリブルが特徴のレフティーは新境地を開拓できるか [2nd14節甲府戦プレビュー]

 

完敗に終わった川崎フロンターレ戦から1週間後の10月1日、マリノスはアウェイでヴァンフォーレ甲府戦を迎える。

まずはフロンターレ戦の回顧から。3失点を喫したのは、1stステージ第10節・名古屋グランパス戦(1-3)に続いて今季2試合目である。その試合は守備陣のミス絡みで複数失点した。内容こそ違うが、先日のフロンターレ戦も守備陣にミスが多かった点は酷似している。エリク・モンバエルツ監督は「いつもは起きないミスが起きた。特にマーキングの部分だ」と振り返る。ゴール前でのマークが緩慢で、1失点目と3失点目はクロスから失点した。

原因は一つではないだろう。失点シーンを巻き戻してみると、すでにミスが発生してマイボールを失っている。1失点目は自陣で奪ったボールを味方へつなぐのか、あるいはクリアするのかが中途半端になり、相手にボールを渡してしまった。2失点目は、今度はビルドアップで曖昧なパス交換があり、守備陣形が整わないうちにフィニッシュに持ち込まれた。

 どの失点も最終的にゴール前で防げればよかったのだが、前述したようにマーキングが甘かった。指揮官は「私としては疲労も原因の一つと考えている」と述べている。実際にどれだけ疲れがあったのかは本人にしかわからないが、8月下旬から5連戦を消化し、フロンターレ戦は5日間に及ぶ高知遠征を含む3連戦の3試合目だった。勤続疲労があっても不思議ではない。

こういった流れを踏まえ、明日の甲府戦では数名の選手を入れ替える。ディフェンスラインでは栗原勇蔵と小林祐三がベンチスタートになる見込みだ。代わりに入るのはパク・ジョンスと遠藤渓太で、前者はボランチからCBにスライドし、後者は天皇杯3回戦・東京ヴェルディ戦でも起用された右SBでのスタメンが濃厚だ。

また、ボランチは中町公祐の相方に天野純が指名された。兵藤慎剛はこの中間に目にトラブルを発生し、遠征メンバーに帯同しない模様。今週から全体練習に復帰した喜田拓也もいるが、ひとまずはベンチスタートのようだ。だが、喜田に関してはこの試合のどこかでほぼ間違いなく出番がやってきそうな気配である。そのときは試合出場を続けている中町のプレータイムを制限するのではないか。

 

 

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 前線に目を移すと、トップ下に前田直輝が入る。フロンターレ戦ではビハインドの展開でこの位置に入り、こちらも途中出場の天野との連係からゴールを演出した。最大の特徴は切れ味鋭いドリブル突破だが、ここは相手のライン間で受けるプレーで攻撃にリズムを生み出したい。本来は右サイドの選手だけにぎこちない面もあるだろうが、マリノスに来てなかなか持ち味を出せていないレフティーは新境地を開拓できるか。

この試合が終わると、中3日→中3日でルヴァンカップ準決勝・ガンバ大阪戦が控えている。すでにリーグタイトルが絶望的となっている状況で、カップ戦にプライオリティを置く方向にシフトしても驚けない。もちろん監督は明言しないが、少なくとも来週以降を見据えたマネジメントで甲府戦に臨むことはたしか。その中で、しっかり勝ち点3をもぎ取ってガンバ戦に向かいたい。

 

 

 

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