「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

バブンスキーは中盤でスキルフルなプレーを披露。デゲネクの力強い守備やリーダーシップは練習風景通り [宮崎キャンプレポート8日目(練習試合:大宮戦]

 

[リザルト]

日時:27日(火)11時~
場所:シーガイアスクエア1
対戦相手:大宮アルディージャ(J1
形式:45分-45分-30分
スコア:22(10、0-1、1-1)
得点者:1本目24分金井、2本目7分大宮、3本目13分伊藤、3本目24分大宮

 

 

キャンプが終盤に突入した8日目、マリノスは大宮アルディージャと変則3本の練習試合を行った。45分、45分、30分のトータル120分ゲームで、フィールドプレーヤーのほとんどは約60分間プレーしている。2本目の15分過ぎにGKを除く10人を総入れ替え。2本目17分以降のメンバーは3本目の面々が中心となったが、2本目途中から出場したパク・ジョンスが40分に左ひじを負傷した。担架で運ばれたことからも軽傷ではなく、残念な負傷離脱となった。

1本目

1本目

1本目と2本目途中までは主力組と見られるメンバーが出場。キックオフ時は予想通りの11人がピッチに立った。2本目途中からの負傷者の事情などチーム事情により本来のポジションではない選手もいた。たとえば3本目から出場した高野遼は本来の左SBではなく左サイドMFでプレーしている。また、喜田拓也が別メニュー調整のため中島賢星はトップ下ではなくボランチに固定され、その余波として前線は2トップに。フォーメーション表に名前のない吉尾も2本目途中から約30分間出場した。

このタイミングで練習試合を行う意図について齋藤学は「上乗せもしなければいけないけど、まずは去年やってきたことを浸透させないといけない。やり方をチーム全員が理解しないといけない」と強い口調で言う。新加入選手の色がプラスαとなることを期待しつつも、まずはチーム戦術を反復し、体に染み込ませる作業が先決となる。

 

 

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2本目

2本目

1本目で言えばトップ下のダビド・バブンスキー、右SB松原健、そしてCBのミロシュ・デゲネクの3選手が新たに加わった選手だ。

そのうちデゲネクは最終ラインの中央で安定したプレーを披露。力強い守備やリーダーシップは練習風景通りで、懸念されたスピード対応も水準以上のレベルにありそうだ。軽やかな身のこなしから左右にボールを散らし、ロングフィードの精度も高い。パクの負傷離脱というネガティブニュースもあり、おそらくCBの主軸の一人として今後も起用され続けるだろう。

松原に関しては、まだ能力すべてを把握することはできない。ただし下平匠の離脱によって金井貢史が左SBに回っているため、右SBはある意味で“無風状態”となっている。この状況に慢心せずに周囲との連係を構築したい。大宮戦ではマルティノスともしっかりコミュニケーションを取りながらプレーしていたが、持ち味である攻撃参加の回数は戦前の予想通り少なかった。守備での対応についても能力の一端しか見せておらず、引き続き性質を見極める必要がありそうだ。

3本目

3本目

バブンスキーは中盤でスキルフルなプレーを披露。巧みなターンで何度か戦況を変えたものの、その後に決定的な仕事はできず、ハーフウェーラインを下がってボールを受ける場面も多かった。1トップに入った富樫敬真とは前日練習しかコンビを組んでいなかったが、それでも富樫は「ダビ(バブンスキー)は自分を見てくれているし、裏にボールが出てくる雰囲気もある。そういった感覚はフルコートのゲームをやらないとわからないこと」と前向きに話していた。ポジションはいまのところトップ下に固定されており、今後は連係と精度を高める作業になる。

これまでも述べているように、チームとしての戦い方に大きな変化はない。サイドMFの齋藤やマルティノスの打開力に頼る部分が大きいのも否めない。そこにバブンスキーやウーゴ・ヴィエイラがどのように味をつけていくか。あるいはポストプレーや守備面で成長を印象付けている富樫敬真、そしてこの日ゴールを挙げて虎視眈々とレギュラー奪還を狙う伊藤翔にも期待だ。

明後日9日にはキャンプの総仕上げとしてFC東京との練習試合が組まれている。引き続きいろいろな組み合わせを試し、チーム戦術を共有しながらクオリティを上げていく。

 

 

 

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