「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

チームは若返り、そこに外国籍選手という新たな血が加わった。未知なる魅力を秘めているのは事実 [第1節 浦和戦プレビュー]

 

新横浜駅から日産スタジアムに続く道が『F・マリノス通り』と名称を変更した。明日の開幕戦には約4万人の動員が見込まれており、新横浜駅から向かう多くの人々がこの通りを歩く。チームを代表してキャプテンの齋藤学は「通りにマリノスの名前がつくのは光栄なこと。地元や地域の方々に応援してもらえるのは本当に嬉しい。試合日はこの道を通って、マリノスと一緒に戦う気持ちを持ってもらえたら」と喜びを表現した。

 新しい横浜F・マリノスが一歩目を踏み出す。昨年の年間勝ち点1位の浦和レッズをホームで迎え撃つシチュエーションは、リーグに存在感を示すにはちょうどいい機会と捉えたい。そのためにはやはり勝利しなければならない。「カッコ良くなくてもいい。泥臭くていいから結果にこだわる」と語気を強めたのは金井貢史だ。

1月16日の始動から約6週間の準備期間は、概ね順調に進んだ。レギュラークラスでいうと下平匠が開幕に間に合わったのは残念だったが、同じく離脱期間の長かった栗原勇蔵は開幕直前に完全合流。明日のゲームにはベンチ入りしないものの、完全復活は間近に迫っている。宮崎キャンプ中の練習試合で左ひじを脱臼したパク・ジョンスも患部を固定しながらトレーニングに加わっており、もうすぐ戦列に復帰できるだろう。

チーム作りを進める中で、宮崎キャンプを終えた段階で9つのポジションのレギュラーが決まった。残り2つは1トップとファーストボランチで、前者は富樫敬真とウーゴ・ヴィエイラ、伊藤翔の3選手が争い、後者は中町公祐と負傷で出遅れていた喜田拓也の一騎打ちに。これまでは練習試合と戦術練習でメンバーを入れ替えながら臨んでいたが、試合前日のトレーニングは1トップに富樫、ボランチを喜田に固定。これで11のポジションすべてのスタメンが出揃った。

 

 

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 チームは若返り、そこに外国籍選手という新たな血が加わった。期待値ばかりが先行するのはよろしくないとはいえ、未知なる魅力を秘めているのは事実。「エネルギッシュでフレッシュなパワーを感じる」と齋藤がチームを代表して言えば、副キャプテンに就任した喜田拓也は「ギラギラした集団だと感じる」とポジティブに話す。トレーニングの雰囲気が刷新され、ポジション争いは熾烈を極めている。ベンチの枠が7つしかないのが残念で、仲川輝人らが漏れてしまうのは無念極まりない。

力で上回るのは浦和だろう。近年は常に優勝争いを演じ、戦術浸透度はリーグ屈指。選手層が厚みを増したことで、リーグ戦とACLでターンオーバーが可能なチームになっている。相手にACLから中3日で長距離移動を挟むというハンディキャップがあったとしても、マリノスが優位になるわけではない。あくまでチャレンジャーの立場で、前評判も浦和の勝利を予想する声が圧倒的に多いはずだ。

予想はあくまで予想でしかない。覆すには結果で示すしかない。不安と未知数もあるが、同時に大きな期待とワクワク感がある。開幕戦での一歩目を、勇躍への一歩目としたい。

 

 

 

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