「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

中島や遠藤が成長を示し、二種登録選手をはじめとする新芽の芽吹きを確認する。有意義なゲームになれば最高形[ルヴァンカップ2節 神戸戦プレビュー]

 

もはや恒例となったミッドウィーク開催のカップ戦における先発総入れ替え。明日のヴィッセル神戸戦でも、直近のリーグ・ジュビロ磐田戦から11人全員の顔ぶれが変わる。

 メンバーは3月15日のルヴァンカップ第1節・セレッソ大阪戦に先発した面々が中心となる。その試合から先発の変更はおそらく3選手で、それも途中出場していた伊藤翔、前田直輝、そして吉尾海夏だから、ほとんど変更なしと考えていいだろう。

ゴールマウスを守るのは今回も杉本大地。セレッソ戦でJ1公式戦デビューを飾り、今節はマリノスホームゲームデビューとなる。ピッチとスタンドの距離が近く、一体感が生まれるニッパツ三ツ沢球技場での好プレーを期待したい。

最終ラインはセレッソ戦同様で、右から新井一耀、栗原勇蔵、パク・ジョンス、高野遼の4バック。リーグ戦とほぼ同じメンバーでこのゲームに臨むという神戸オフェンス陣をストップし、チームとしてはリーグ第2節・コンサドーレ札幌戦以来となるクリーンシート達成なるか。

中盤の底では、扇原貴宏と中島賢星がコンビを組む。リーグ戦に例えるなら扇原が喜田拓也の役割をこなし、中島は天野純のように高い位置へ出て行く。扇原はディフェンスラインとともに攻撃の第一歩として重要な役割を担い、中島は少し遅れて相手ゴール前に入っていくことでフィニッシュに絡みたい。セレッソ戦ではその形から決定機を迎えており、神戸戦では今度こそ決めたいところだろう。

 

 

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2列目は右から吉尾、前田、遠藤渓太が並ぶ。それぞれ個の打開能力を有しているタイプで、積極的な仕掛けに期待がかかる。肉弾戦になったときの脆弱感は否めないが、自分の形でボールを持てれば特徴を出せる。特にU-20W杯も視野に入っている遠藤はリーグ戦出場につながるプレーを見せられるか。

最後に1トップは伊藤。8日の磐田戦ではウーゴ・ヴィエイラが先発出場したが、絶対的な存在ではない。負傷離脱していた富樫敬真も全体練習は合流し、復帰は目前に迫っている。これからの3選手による激しいポジション争いは続くだろう。伊藤がここで結果を出して存在感を誇示できれば、間違いなくリーグ戦につながる。

 ベンチにはシーズンイン直前に左ひざを痛めて離脱した山中亮輔が控える。この一戦に向けては左SBではなく一列前の左MFでプレーする場面が多くみられ、その位置で途中出場する可能性がある。得意としているパワフルな左足のキックとドリブルで三ツ沢を沸かせたい。

また、セレッソ戦に帯同していた二種登録の堀研太や1月のタイ遠征でゴールを決めた山田康太もベンチ入りする模様。両選手とも試合前日の練習に参加し、準備段階からトップチームの空気を吸っている。負傷明けの富樫や下平匠はベンチ入りしないため、二種登録選手が途中出場する可能性はそれなりに高いかもしれない。

今日の雨で三ツ沢公園内の桜が舞い散ってしまったのは残念でならないが、リーグ戦でなかなかお目にかかれない選手を見る絶好の機会だ。栗原がさすがの存在感を放ち、中島や遠藤が成長を示し、二種登録選手をはじめとする新芽の芽吹きを確認する。そんな有意義なゲームになれば最高形である。

 

 

 

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