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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

追い討ちをかけるように、齋藤学が右足のかかと付近を負傷した [J12節 仙台戦レビュー]

 

ポジティブな材料を見つけるのが難しい一戦だった。チームとしても個人としても、良かった点はほとんどなかった。ベガルタ仙台の猛攻を1失点でしのいだ飯倉大樹が「今日は負けなくてよかった。勝ち点1で御の字のゲーム」と言えば、中澤佑二は「負けなくてよかった。前半で0-3になっていてもおかしくないゲームだった」と厳しい表情で話した。シュート本数7対16という数字通り、圧倒的に攻め込まれた。

 開始2分のピンチはミロシュ・デゲネクが失点寸前でブロックし、その後も飯倉や中澤が懸命にしのぐ展開。相手のシュートミスに助けられた面もあった。すると我慢が実を結び、千載一遇のチャンスが前田直輝の下に転がり込む。マルティノスのパスに抜け出し、得意のアングルを作り、左足で冷静に流しこむ。まさしく蜂の一刺しである。

しかし、である。前後半で合計9本もCKを与えれば、どこかで瓦解しても不思議ではない。大岩一貴のマーク担当は金井貢史だったが、この試合では失点場面以外でも終始捕まえ切れていなかった。三田啓貴やリャン・ヨンギの精度の高いキックに何度も冷や汗を流す。思い返せば、過去の仙台戦はいつもセットプレーがポイントになっていた。

それにしても、あれだけボールが回らなければサッカーにならなくて当然だ。ビルドアップがままならないといった次元の話ではない。誰がボールを持ってもパスコースがほとんどないのはなぜなのか。前方向へのボールが極端に少なく、ほとんどが斜め後ろか後ろだ。プレッシャーをはがすような試みもなく、消極的にボールを下げるばかりではゴールの匂いは漂ってこない。

 3連敗後に辛勝し、この日は引き分けた。だが、内容に大差はない。「毎試合同じような内容になっている」(中澤)。相手のレベルによって白星と引き分けと黒星のどれかがつく。たとえばガンバ大阪クラスの相手にはほとんど何もさせてもらえず、柏レイソルやサガン鳥栖では一瞬の隙が命取りとなって敗れた。甲府にはなんとか勝てたが、仙台とは痛み分け。順位表の配列通りといっても過言ではない。

何か変化が必要な時期に差し掛かっている。いまのサッカーは停滞感が否めず、このままでは次への視界が開けてこない。追い討ちをかけるように、齋藤学が右足のかかと付近を負傷した。現時点で詳細は不明だが、仮に離脱するような事態になればさらに攻め手がなくなる。齋藤の調子はお世辞にも良いものではなかったが、かといって代役を簡単に見つけられる選手ではない。

これ以上苦しい時期はそうそうない。そう思わなければ、いられない。

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