「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

チーム始動:端戸・ドンホの成長とベースの維持 -キャンプ前練習レポート-(藤井雅彦) +中村俊輔インタビュー「今年は宮崎キャンプに行ける(笑)」

 


 

「ベースは落ちていない」(樋口監督)-キャンプ前練習レポート

チームは25日に始動し、翌26日は午前練習後を消化し、午後にトリコロールフェスタを開催した。当初から樋口靖洋監督はこの2日間を「車で言うアイドリング」と位置付けており、オフを挟んだのちの28日が実質的な“始動日”となった。

その28日からキャンプ前までの30日までは連日の二部練習を行い、「かなり追い込んだ」(樋口監督)。午前か午後のいずれかにフィジカル要素を多く含んだメニューを取り入れ、もう一方の練習もボールトレーニングをみっちり2時間程度行う。28日はポゼッションとシュート練習、29日は4対4のシュートゲームを、そして30日の午前中にフルコートでフィールドプレーヤー11対11(GK含めた12対12)の実戦形式を行った。

このフルコートゲームではコンディションが上がりきっていない状態ながら、各々が随所に持ち味を発揮している。中村俊輔や中澤佑二、マルキーニョスといったベテラン勢はマイペースながらさすがの技術を見せ、周囲との違いを示した。一方の新加入選手も黙ってはいない。樋口監督はレンタルバックとなる端戸仁とジョン・ドンホの名前を挙げ、彼らの成長を喜んだ。

「仁はDFに当たられてもキープしたシーンが2回か3回あった。軸がブレなくなっている。あとは慣れも大きい」と目を細め、ジョン・ドンホについては「中国で左右のSBだけでなく一つ前のポジションも経験したことでプレーの幅が広がっている」と成長を確認した様子。キャンプでは端戸がレギュラー組と混ざる機会もあるだろうし、ジョン・ドンホは手薄なサイドMFの位置で試されるかもしれない。

だが特筆すべきは昨シーズンの主力メンバーを中心に「ベースは落ちていない」(樋口監督)ことである。例えばポゼッションの場面、新加入選手は切り替えの早さに戸惑いを隠せず、判断が遅れてしまう。チームを1年間離れていた端戸は「切り替えが早くなっているのを感じた」と驚いていた。中村を筆頭に兵藤慎剛、中町公祐といった中盤の選手がボールにプレッシャーをかけていく姿は昨シーズン終盤とまったく変わらない。これこそがベースである。

コンディションが上がっていないにもかかわらずこれだけ動けてしまうと、やはり怖いのは負傷だ。ただ30日時点でチームに大きなけが人はいない。体調不良のため始動日を室内調整で切り上げた中村も翌日から元気にフルメニューをこなした。佐藤優平や喜田拓也は学校の都合でいない練習もあったが、負傷や病気といった大きなアクシデントは一つもない。唯一、昨秋に左足首を骨折したGK鈴木椋大だけがキャンプ中も別メニュー調整となりそうだが、フィールドプレーヤーに関しては全員が万全の状態で臨めそうだ。

キャンプ中は2月1日からの10日間で6試合を予定し、「ゲームを通じてフィジカルを上げていく」と樋口監督。昨年まではキャンプ前半はフィジカル中心のメニューをこなし、後半に戦術練習や練習試合を組むケースが多かった。今回は3日目から練習試合が組まれており、早い段階からチーム作りが進められる模様だ。

 

 

[voice of player MF 25 中村 俊輔]

――キャンプ前最後の練習を終えて

「ここまでけがなくやれているのが良かった。自分も初日だけ休んだけどインフルエンザではないから今年は宮崎キャンプに

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