「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

J3で最多得点を誇る沼津。ここで躓くわけにはいかない [天皇杯3回戦 アスルクラロ沼津戦プレビュー]

 

1-1の引き分けに終わったサンフレッチェ広島戦から中3日で天皇杯3回戦・アスルクラロ沼津戦に臨む。このゲームが終わるとJリーグは2週間半の中断期間となり、マリノスは15日のトリコロールフェスタを挟み、17日から6日間の行程で十日町キャンプを行う。29日の清水エスパルス戦に向けては「トレーニングし直して再スタートを切る」とエリク・モンバエルツ監督。この中断期間でレギュラー争いは一度リセットされるのだろう。

いろいろな意味で沼津戦の先発に注目が集まったが、どうやらスタメン総入れ替えは実施しない模様。広島戦の先発からは齋藤学、扇原貴宏、そしてパク・ジョンスが先発に名を連ねる。ここまでリーグ戦だけでなく公式戦無得点の齋藤は「まったく問題ないし、試合に出るのは当然のこと」と気合いを込めた。

その他のメンバーが入れ替わるといっても、残りの8選手もレギュラークラスの面々ばかりである。ミロシュ・デゲネクや喜田拓也、松原健はいつリーグ戦の先発に戻っても不思議ではないし、富樫敬真や前田直輝も最近のリーグ戦では短い出場時間ながらしっかり結果を残している。長期離脱後は焦らず慎重にステップアップしてきた下平匠にしても、そろそろリーグ戦で先発に名を連ねてもいい頃だろう。したがってBチームという顔ぶれでない。

 

 

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ただし、チームとしても完成度はお世辞にも高いとは言えない。今回のユニットで試合を戦うのはもちろん初めてで、準備時間は試合前々日と前日のわずか2日間。流麗なコンビネーションや阿吽の呼吸を求めるのは酷で、それぞれが即興(アドリブ)でプレーしなければならない。それでも相手はJ3に属するチームのため実力差は当然あるはず。天皇杯特有の難しい展開にならなければ、マリノスの圧倒的優位は動かない。

高いモチベーションで臨み、序盤から相手を圧倒できるか。そして早い時間帯に先制点を奪い、畳みかけるように追加点を奪うことで、相手の士気を低下させる。そんな展開が理想だが、なかなか思い通りに事は進まないものである。J2の京都サンガを打ち破り、J3で最多得点を誇る沼津に、失うものなど何もない。無欲であり、貪欲とも言えるだろう。

しかし、ここで躓くわけにはいかない。『カップ戦優勝』を目標に掲げ、『ACL出場権獲得』にもつながる道だ。そして現在5位につけているリーグ戦のためにも、中断前最後の試合を無事に通過したい。トーナメント方式を採用するカップ戦は常に「結果>内容」である。まずは勝つことがすべて。内容は二の次にして「チームが勝てればいい」(齋藤)。

 

 

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