「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

大黒の離脱/藤田と端戸の現在 [キャンプレポート4日目-練習試合富山・福岡戦-](藤井雅彦)

【練習試合:vs カターレ富山戦】

時間:2月4日、10時30分~
形式:45分×2本

スコア:2-0(2-0、0-0)
得点者:13分練習生、45分マルキーニョス

【一本目】 【二本目】

 

【練習試合:vs アビスパ福岡戦】

時間:2月4日、15時00分~
形式:45分×2本

スコア:1-1(0-1、1-0)
得点者:15分古賀(福岡)、68分端戸

【一本目】 【二本目】

 

 大黒、離脱

キャンプ4日目、ある異変が起きた。大黒将志が期限付き移籍を前提として離脱したのである。前日の九州大学選抜との練習試合では2得点を決めるなど相変わらずの得点力を見せつけたゴールゲッターが、杭州緑城(中国)へ旅立った。しかしながら驚きは少ない。むしろ始動日から彼がいたこと、そして1日からの宮崎キャンプに何事もなかったかのように参加していたことのほうが不思議であった。

このオフ、大黒は出場機会を求めて移籍先を探していた。そこで獲得に名乗りを挙げたのが岡田武史元日本代表監督率いる杭州緑城であった。岡田監督と大黒の関係はコンサドーレ札幌時代に師弟関係としてあり、マリノスと杭州緑城の関係もジョン・ドンホを期限付き移籍させるなど悪くない。マリノスと岡田監督の関係は言わずもがな。両クラブ間には確実に“パイプ”があった。
問題は谷口博之の柏レイソル移籍時と同じように複数年契約が残っていることである。大黒は3年契約で加入し、契約は残り1年だった。大黒が海を渡る時期がここまで遅くなってしまったのは、杭州緑城が違約金を払うほど金満ではなかったからである。結果、期限付き移籍を着地点とした模様だ。

マリノス側としては違約金を是が非でも獲得しなければいけない人事ではなかった。単純に言えば、大黒は高い。ベンチに置いておくにはあまりにも5千万円を超える年俸はあまりにも高い。そして昨シーズン途中には樋口靖洋監督と起用法を巡って対立するというトラブルもあった。実績と自負がある選手だけに、不可解な起用法でベンチに座っていることが納得できなかったのだろう。移籍の可能性を模索するのは当然で、あとはクラブ間交渉がまとまるのを待つのみであった。

それにしても前日までの大黒は意欲的に練習に取り組んでいた。その姿を見て、「ここからいなくなられても困る」と話す主力選手がいたほどである。ちなみにその選手は翌日になって大黒がいなくなり、「なんだかね」と苦笑いしていた。また、中澤佑二は「マルキーニョスにかかる負担が大きくなる」と危惧していた。小野裕二が抜けた前線はさらに層が薄くなってしまったわけだが、フロントとしては織り込み済みの移籍である。小野のように想定外の移籍ではなく、あえて選手獲得に動かなかっただけの話と考えるべきだ。

藤田と端戸

そういった事情を踏まえてJクラブとの初の練習試合を見ていくと、気になるのは前線の選手のパフォーマンスとなる。マルキーニョスの健在ぶりは前日の大学生相手の練習試合で分かっており、注目は藤田祥史や端戸仁らだろう。

しかし結果から言えば、

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