「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

神戸が強力な武器を持っていることは確か。「図抜けた飛び道具を持っている選手が何人かいる」と飯倉大樹は警戒 [J23節 神戸戦プレビュー]

 

ヴィッセル神戸に対しては2011年8月を最後に、以降は7勝2分と負けがない。今シーズンの前半戦も中町公祐とウーゴ・ヴィエイラのゴールが決まり、2-0で完勝を収めている。端的に言えば、とても相性の良い相手といえるだろう。加えて大物外国籍選手の加入やネルシーニョ監督解任などニュースの多い昨今、相手のチーム状態が良いとは思えない。

 それでも神戸が強力な武器を持っていることは確か。「図抜けた飛び道具を持っている選手が何人かいる」と警戒心を露わにしたのは飯倉大樹。ポドルスキは日本人にはないシュートレンジの広さがあり、足の振りの速さ、鋭さは間違いなくワールドクラスだ。渡邉千真や田中順也もそれぞれの利き足を思い切り振ってくる。試合展開や距離に関係なくゴールを狙えるハンターがたくさんいるというわけだ。

したがって相手の組織力よりも、前線の個の能力に注意したい。ペナルティエリア内はもちろん、エリア付近に侵入してきたらタイトなマークが必要になる。安易にシュートコースを空けてしまえば命取りだろう。いくら飯倉の調子が良くても、止められないシュートは存在する。リードしていたとしても90分間集中を切らさずボールホルダーをケアしなければいけない。

その試合に臨む先発メンバーは、前節のサガン鳥栖戦と変わらない見込み。試合に勝利し、内容が極端に悪かったわけでも、疲労が懸念される連戦というわけでもない。アルビレックス新潟戦やそれ以前に勝利に貢献した選手もいるため、この11人がベストメンバーという表現は避けるが、鳥栖戦からの流れだけで考えるなら手を加える必要がないことも事実。ベンチメンバーも大きく変わることはないだろう。

 

 

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 いくつかの警戒ポイントがあるものの、チームとしてはいまの風向きを大事にしたい。マリノスは12試合負けなし(9勝3分)と快進撃を続けている。順位はついに3位まで上がり、首位の鹿島アントラーズまで3ポイント差。今節の結果次第では順位表の頂上に立つ可能性がある。残り12試合を残している時点で少し気が早いかもしれないが、順位の数字が小さいことはモチベーションアップにつながる。

飯倉は「ここから上位に残るためには取りこぼせない。9月以降は上位陣との対戦が控えているので、そこにつながるゲームをしたい」と少しだけ先を見据えた。今節の神戸戦と次節のFC東京戦を勝利で乗り切ることで視界が開ける。現時点では上位との挑戦権を得られる可能性があるに過ぎない。

負けられない試合ではなく、勝たなければいけない試合だ。

 

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