「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

代表帰りのマルティノスの状態次第では、前田直輝とイッペイ・シノヅカが両サイドへ [J29節大宮戦プレビュー]

金井貢史、松原健の2枚看板で戦ってきた右SBのポジションには、彼らの負傷をうけて遠藤渓太が入る。前節のガンバ大阪戦では前半途中から同ポジションに入り、最終的には殊勲の決勝ゴールを挙げた。カップ戦などでプレーした経験もあり、まったくの実力未知数というわけではない。

とはいえ守備面には不安を残す。一定以上のスピードがあるため1対1では互角以上に渡り合えるだろうが、周囲との連係で守るマークの受け渡しや、クロス対応は経験値の低さが顔をのぞかせる。ガンバ戦の失点場面について「あれはもっと絞らないといけない」と同じように指摘したのは、このポジションを生業としている金井と松原だった。反省を糧に大宮アルディージャ戦に臨みたい。

遠藤があまりにも不出来の場合は下平匠をコンバートする可能性もある。しかし、こちらは遠藤以上に無理のある采配だろう。非公開だった先週の練習試合では柏レイソルと対戦し、ラスト30分を右サイドでプレーしたという。「レベルはともかく、最低限のことはできる」という言葉は経験値と適応能力の高さゆえとはいえ、リーグ戦で多くを求めるのは酷だ。

そして今節は、攻撃の核となる両サイドMFの人選にも注目したい。

 

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キュラソー代表としてカタール遠征に参加していたマルティノスは水曜日の夜に日本に戻り、木曜日と金曜はフルメニューを消化していない。エリク・モンバエルツ監督は「試合当日の状態を見て先発かどうか判断したい」と慎重な姿勢を示している。

基本的には先発すると思われるが、仮にベンチスタートになった場合は前田直輝とイッペイ・シノヅカが両サイドを務めることに。若さと勢いはあるが、個の能力値やインパクトが相手にどれだけプレッシャーを与えられるか。このポジションがある程度機能しなければ、マリノスの攻撃は立ち行かなくなる。それは相手が激しくプレッシャーをかけていたとはいえ、ガンバ戦の前半を見れば明らかである。

対戦相手は17位と苦戦しているチームだが、過去のデータを見ても簡単な相手ではない。むしろどのゲームも苦労している印象が強く、ホームゲームであっても一筋縄には行かないだろう。少し前には現在16位のヴァンフォーレ甲府に苦杯をなめ、痛い星を落とした。同じ轍を踏むわけにはいかず、上位に踏みとどまるためには勝ち点3が必要だ。

90分の中でどうマネジメントして勝ち点3を手繰り寄せるか。やはり指揮官の用兵が鍵を握ることになりそうだ。

 

 

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