「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「向こうに6年間いて考え方が変わった。どうやって目立って差を出すか。自分が仕掛けて、決めて、結果を出す」(シノヅカ)他 [大宮戦前コメント]

 

【試合に向けて】

エリク モンバエルツ 監督

「(右SBの人選について)本職の選手がいない状況で、その問題を解決しなければいけない。(松原)健は難しい。今のところ(遠藤)渓太で考えているし、それは先週から変わらない。去年も右SBでプレーし、そこでもいいプレーをしていた。もちろんそのポジションが本職ではないし経験は少ないが、ポテンシャルの高い選手。彼のスピードやアグレッシブさで経験値の低さを補い、ガンバ戦のようにプレーしてほしい。

(遠藤について)今年はU-20W杯に出場した影響でチームを離れることが多かった。そして同じポジションには(齋藤)学とマルティノスがいて、彼らがほとんどの試合に出ていた。渓太はルヴァンカップに出場していたが、必ずしもトップのパフォーマンスとは言えなかった。学とマルティノスを脅かすにはパフォーマンスが足りなかった。そして渓太のプレーはステレオタイプなところがある。右でも左でも中に切れ込んでいくことが多い。いまのチームのFWの特徴として、センタリングからの得点が武器になる。中にプレーするのもいいが、縦へのプレーを増やすことでプレーの幅が広がり、バリエーションが増える。いい例がマルティノスで、以前は中へのプレーが多かったが、最近は縦へのプレーが増えて結果につながっている。そういったインテリジェンスが必要。渓太はそういった課題を持って向上させていってほしい。

(下平を右SB、遠藤を右MFで使う可能性は?)匠の右SBはオプションとしては考えられる。ただ、左利きの選手が右サイドでオーバーラップして左サイドと同じようにプレーするのは難しい。我々はSBの選手に攻撃参加の役割も求めている。だからゲームのスタートということに関しては左利きの選手が右SBでプレーすることは考えていない。あとは組み合わせの問題もあり、渓太を前で使う場合は中へのプレーが多いので、健のように背後を上がっていけるタイプの選手がいい。

(大宮について)大宮は良いパフォーマンスを見せているが、最後のゴール前のところで効果的なプレーができず、そういった理由で苦しんでいるチームだと思う。それと今シーズンは家長が抜けた穴も大きいのだろう。そして他のチームとの力関係によって現在の順位にいる。シーズンの30試合近くを消化し、力を発揮できているチームは上に行き、力を出しきれていないチームは下位になる。そういった一つの事例だと思うが、大宮は力を持っているチームだ。

(マルティノスとミロシュ・デゲネクについて)マルティノスは代表戦に80分出場した。暑い環境だったことと、睡眠を十分にとれていないという問題がある。試合当日の状態を見て先発かどうか判断したい。ミロシュは2試合を戦い、2試合目は延長戦に入って120分プレーした。疲れがあるのは当然で、プレッシャーのかかる重要なゲームだったのでメンタル的な疲労もある。ミロシュは休ませて、練習試合に出場してコンディションが上がってきた(栗原)勇蔵はグループに入れる状態にある。

(残り6試合に向けて)上位を争える位置にいるのは幸運なこと。だからといって大宮戦もその他の試合も重要度は変わらない。良いパフォーマンスを発揮するために準備し、試合で良いプレーを出す。結果はあとからついてくる。そして相手が優勝争いしているか、あるいは残留争いしているかは、関係ない。ガンバは優勝と降格の両方の可能性がないが、試合のスタートから激しくプレッシャーをかけ、良いパフォーマンスを見せていた。我々はどの試合でも勝利を目指して戦うだけだ」

MF 18 遠藤 渓太

「最終ラインなので一人でやる守備ではない。いくら自分にスピードがあったとしてもボールのスピードには敵わない。ガンバ戦でも前の(前田)直輝くんをうまく使えなくて混乱する場面があった。失点しなかったから結果オーライではなく、失点したら自分の責任。本職ではないけど、試合に出るのだから慣れていないではすまない。自分のスピードを過信せずに頭を使って守りたい。自分の中では大宮戦に出場するつもりでいる。今年はなかなか出場機会がなかったので(松原)健くんや(金井)貢史くんが帰ってきても自分が出られるようにやりたい。本来のポジションではないけど試合に出ることが大事。残り6試合で自分の今年を変えたい。ヤマくん(山中)は結果を出し続けることでポジションをつかんだ。自分もそうなりたい」

 

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MF 5 喜田 拓也

「ガンバ戦では前半の途中から少しやり方を変えて、それも一つの要素となってボールが動くようになった。コンビを組む選手にもよるけど、自分としては中盤の底でも前目でもどちらでもスムーズにやれると思っている。役割が少し変わるので頭の中の整理さえすれば問題ない。大宮はとても良いチーム。ボールの握り方も上手い。今の位置にいるチームではないと思うし、侮れない相手。相手も必死に戦ってくるはずだけど、自分たちもACLに行くという目標がある。そのためにも勝たなければいけない試合」

MF 8 中町 公祐

「ここで取りこぼしたら今シーズンが終わるくらいの気持ちで臨みたい。ガンバ戦はチームとして良い勝ち方ができたと思う。だからこそ次の試合も続けなければいけないし、負けてしまったらガンバ戦に勝った意味が薄れてしまう。大宮はメンバーを見ても力のないチームではないし、いつも苦しめられているイメージがある。今回も簡単なゲームにはならない。久しぶりに14時キックオフということでリズムも少し違う。試合の入り方が重要になるので、しっかり気を引き締めて入りたい」

GK 21 飯倉 大樹

「(遠藤)渓太が攻撃的な選手なことはみんなが知っているし、右SBはもちろん本職ではない。その中でも渓太ができることを精一杯やればいい。それと関係なく、ウチの守備はボンバー(中澤)次第だから(笑)。ボンバーがしっかりカバーしてくれると思うし、自分はそのつもりでゴールを守る。チームの守備が安定しているのはすべてボンバーのおかげ。(齋藤)学もいなくて攻撃の形を作るのは難しくなるけど、その中でもチャンスを見逃さずに前線に良いボールを届けたい」

MF 20 マルティノス

「中東からの直行便で帰ってきて、水曜日の23時くらいに日本に着いた。その日はあまり眠れなかった。カタールとの試合では80分間出場して、得点につながるFKを獲得できたし、チームとしても良いプレーができたと思う。この流れをクラブチームに持ち込みたい。ガンバ戦での勝利は大きい。もっとゴールを決めるチャンスはあったと思うけど、とてもいいゲームができたと思う。大宮戦も必ず勝たなければいけない。勝利以外はいらない」

MF 37 イッペイ シノヅカ

「マリノスは前所属チームとスタイルが似ていたので慣れるのに時間はかからなかった。その中でゴールやゴールにつながるプレーができているのは手ごたえになっている。海外には日本と違う考え方がある。自分で仕掛けて成功すればOK。そういうメンタリティだから、無理に見えることでも成功させてしまう。失敗して怒られても言い返すくらいの気持ちがある。失敗を恐れていたら成功はない。向こうに6年間いて、自分も考え方が変わった。才能のある選手はたくさんいる。どうやって目立って差を出すか。自分が仕掛けて、決めて、結果を出す」

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