「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

磐田との2連戦、直近のリーグ鹿島戦から7選手を入れ替える模様 [天皇杯準々決勝 磐田戦プレビュー]

一難去ってまた一難になりそうだ。首位の鹿島アントラーズを総力結集で倒した次は、ジュビロ磐田との2連戦である。明日25日は天皇杯準々決勝をホームのニッパツ三ツ沢球技場で、そして中3日の29日にはアウェイ・エコパスタジアムでリーグ第31節を戦う。別のコンペティションとはいえ、同じチームとこれだけ短い期間で2試合行うのは珍しい事象だろう。

まずは、天皇杯である。毎年同じことを書いているが、今年の大会日程を見ると、この準々決勝が最大のヤマ場になりそうだ。ここを勝つと、次ステージの準決勝は12月23日に予定されている。リーグ最終節が行われる12月2日のちょうど3週間後で、つまり2017シーズンの終了時期が後ろ倒しになる。もちろん準決勝を勝てば1月1日の決勝戦までシーズンが続くわけだが、このカレンダーの仕組みが精神面に与える影響は、思いのほか大きい。

 誤解を恐れず言えば、勝てば勝つほどオフ期間が短くなっていく戦いだ。オフは来シーズンを万全の状態で戦うための準備期間でもあり、しっかりとした休息を取ることも重要な仕事だ。仮にACLに出場権を獲得した場合、シーズンインが早くなる可能性が高い。にもかかわらずトーナメントを勝ち進むと前シーズンの終わりが遅くなるリスクが伴う。それが現行のカレンダーで行う天皇杯という大会だ。そして天皇杯優勝チームにACL出場権を与えるという制度が、捉え方をより難しくしている感もある。

ちなみにベスト8に残っているのは、リーグ戦の上から6チームにヴィッセル神戸と大宮アルディージャを加えた8チーム。リーグ戦における優勝争いは鹿島アントラーズと川崎フロンターレの2チームに絞られた印象が強く、この2チームや現時点で3位のマリノスが天皇杯を優勝すると、リーグ4位のチームにACL出場権が回ってくる。今の順位をキープすれば文句なしなのだが、4位に転落したとしても可能性はある。

と、ここまでチームから離れた話をしてきたが、重要なのは3大タイトルの一つである天皇杯を勝つために戦うということ。タイトル獲得のためにはトーナメントであと3勝すればいい。その最初のハードルが明日の磐田戦となる。

 

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 予想される先発11人はフォーメーションのとおり。直近のリーグ鹿島戦から7選手を入れ替える模様だ。下平匠とミロシュ・デゲネクは累積警告で出場停止。けが人は金井貢史、齋藤学、ウーゴ・ヴィエイラに加えて、鹿島戦で途中交代したマルティノスが両ふくらはぎに痛みを訴えた。詳細は見えていないが、少なくともこの試合には出場しない。

一方で、右SB松原健が全体練習に合流し、さっそく先発しそうだ。9月30日のガンバ大阪戦で左足首を負傷して別メニュー調整を続けていた。筋肉系の故障ではないため再発のリスクは低く、痛みさえ消えればプレーできる。苦しい台所事情になっていることもあり「痛みはあるけど、やれる。やると決めたからにはしっかりプレーしなければいけない」と奮闘を誓った。時間限定で途中交代するかもしれないが、まずは立ち上がりからフレッシュなプレーを期待したい。

29日のリーグ戦を見据えた時に、両チームとも延長戦突入による体力消耗は避けたいところ。ただ、展開によっては延長戦の30分やPK戦も見据えながらのゲームになる。選手交代をはじめとするマネジメントが鍵を握りそうだ。

 

 

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