「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

その時飯倉はダイレクトでクリアすることも可能だった。だが・・・ : 飯倉大樹の判断と決断 ~第2回『あの時、あの瞬間…』

 

 

 

 不定期でお届けする『あの時、あの瞬間…』は、ピッチ上でのワンシーンを切り取り、選手の思考を織り交ぜながら、掘り下げていく企画だ。

 第2回の今回は荒天の中で行われた先日のジュビロ磐田戦での失点シーンを取り上げる。台風22号の影響で激しく降り注ぐ雨と、ボールスピードがどう変化するか読みにくい状況下で、GK飯倉大樹はどのような考えでプレーしていたのか。

 ミスはミスと認める潔さを持ちつつ、次に生かさなければいけないプレーもある。その背景には、リーグ戦全試合にフル出場している守護神の“こだわり”があった。

 


 

 

65分、ボランチの喜田拓也は自陣で相手のスルーパスをカット。マリノスゴールに向かってファーストタッチした時点で、味方との位置関係から考えると次のプレーはGK飯倉大樹へのバックパス一択だった。

喜田は利き足とは反対の左足でグラウンダーパスを送った。降雨の影響によってボールが止まるリスクもあるため強さの加減が難しかったが、バウンドさせずグラウンダーを意識したバックパスだった。ただ、そのパスコースは飯倉にとって川又堅碁のプレッシャーを意識させた。

それでも、最初にボールタッチしたのはショートダッシュでボールに向かった飯倉。自身から見て左側からプレッシャーがかかり、ボールも自身の右側に来た時点で左足を使うのは不可能。このバックパスに対して二つの選択肢があった。

 

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