「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

モンバエルツ監督退任について喜田は「2年間もがいて埋もれかかっていた自分を見つけ出してくれた。この世界は出会いも多いし別れも多い。濃い3年間だった」 [練習レポ]

 

既報のとおり昨日2日、マリノスはエリク・モンバエルツ監督が今季限りで退任することを発表した。同時に今シーズン終了時まで指揮を執ることも明確となった。リーグ戦では現在5位ながら、3位のセレッソ大阪とのは勝ち点2差、4位の柏レイソルとは勝ち点55で並んでいる。セレッソとは直接対決を残しているため、3位以内に入れる可能性は十分ある。また、天皇杯でも準決勝に駒を進めており、12月23日に開催されるセミファイナルの相手は柏。マリノスの今シーズンはこれからが最大の見せ場となる。

そんな「しびれるような戦い」(喜田拓也)に向けて、チームは3連休を挟んで再始動している。今週末と来週末はルヴァンカップ決勝、代表活動によるAマッチデーと続くため、リーグ戦が開催されない。マリノスは昨日今日と通常通りのトレーニングを消化した。来週には高知県でのミニキャンプを実施し、リーグ第32節のセレッソ戦に向けて準備を進めている。

気になるのは監督退任の決定をうけての選手の表情だが、練習風景を見るかぎり大きな変化はない。けがの癒えたムードメーカー・金井貢史が戻ってきたこともあり、練習グラウンドには大きな声が響き渡っている。経験豊富な選手たちは変わらず淡々と練習メニューを行い、20代半ばの選手たちにも動揺は見られない。

チーム最年長で在籍16年目の中澤佑二は「監督問題に左右されることなく、僕らは残り試合を全部勝つことが目標。3位以内という目標もあるし、天皇杯も残っている」とシーズン終盤戦に集中する体勢が整っている。監督人事が気にならないと言えば嘘だろうが、目の前の試合に集中することがプロとしての在るべき姿勢であり、中澤の矜持である。

モンバエルツ監督の存在が出場機会を増やした選手たちは一様に複雑そうな表情を浮かべた。

今季リーグ戦全試合に先発出場を続けている天野純は「できることなら来年も一緒にやりたかったけどシーズンを通して試合に出るのは今年が初めて。パフォーマンスが悪い時期もあったと思うけど、監督は自分を使い続けてくれた」と感謝を述べた。ボランチとして欠かせない主力に成長した喜田拓也は「2年間もがいて埋もれかかっていた自分を見つけ出してくれた。3年間一緒に仕事をして、いろいろな経験をさせてもらった。濃い3年間だった。これまでの経験は間違いなく力になったと思うし、この先も感謝を表していきたい」とまずは残り試合に全力を注ぐ構えだ。

 

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