「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

今シーズン中澤とともにMVP級の働きを見せた飯倉は「ここまできたらこの戦い方を崩せない。このまま天皇杯を戦う」と覚悟を決めていた [J34節 浦和戦レビュー]

前半を0-0で折り返したのは第28節・ガンバ大阪戦以来、6試合ぶりのこと。といってもピンチが皆無だったわけではなく、際どいシーンは何度かあった。特にここまで20ゴールを挙げている興梠慎三は危険な存在で、オフサイドの判定ながら2度ゴールネットを揺れされた。いずれも紙一重のタイミングで、狙って取ったとは言えないオフサイドはラッキーな面も少なからずあった。

マリノスも浦和レッズも、守備では前から果敢にボールを追った。そしてこの試合では、両チームともに高い位置でボールを奪えなかった。相手のプレスをかわせば中盤にスペースが広がり、ミドルエリアをほぼ無風で通過してアタッキングエリアに入っていく。両ゴール前を行ったり来たりの展開が前半から始まっていた。

中町公祐とともに豊富な運動量でチームを支えた扇原貴宏は「入りは良くなかったけど、失点せずに耐えることができた。攻撃もシュートまで行けていたので、勝つチャンスはあると思ってプレーしていた」と振り返る。守備で粘り強さを発揮し、攻撃はフィニッシュで終わる。その結果、前半をスコアレスで折り返す。それは今季の勝ちパターンそのままだ。

決勝ゴールとなった一撃は、前田直輝の左足だった。前半から松原健と前田の右サイドは不安定さをのぞかせ、マイボール時も効果的なアタックを繰り返す左サイドの陰に隠れていた。後半に入って右サイドが機能性を取り戻したわけではないが、結果的に前田のひと振りが勝ち点3をもたらしたのは間違いない。これもサッカー、これがサッカーである。

 

 

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