「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「ライバルは多いですが、負ける気はありません。自分がやれるという自信もあります。その気持ちだけはブレることなく持っていきたい」 [仲川輝人選手インタビュー]

 

【仲川輝人選手インタビュー】

実施日:1月26日(金)
インタビュー・文:藤井 雅彦

協力:横浜F・マリノス広報室

 

 

15年に大卒ナンバーワンルーキーとして専修大学から加入し、今年で早くも4年目を迎えた。過去3年で、F・マリノスの一員として出場したリーグ戦はわずかに6試合。すべて途中出場で先発は1試合もない。

「僕はF・マリノスでまだ何もしていない」

 淡々とした口調の端々に秘めた闘志が感じられる。決意の復帰を果たした25歳を石垣島キャンプ中に直撃した。

 

 

――あらためて昨年7月に期限付き移籍を決断した理由を教えてください。

「まず自分自身が出場機会を求めていました。コンスタントにピッチに立つことで感覚を取り戻したかった。それに加えて、アビスパ福岡はJ1昇格を争っている状況で、レベルの高い環境で緊張感ある試合を戦える。『J1昇格のために力を貸してほしい』という熱い思いに応えたいという気持ちになって、期限付き移籍を決意しました」

 

――移籍してからの約4ヵ月という時間をどのように振り返りますか?

「J1昇格を逃してしまったのは悔しいですが、昇格プレーオフという緊張感のある舞台でサッカーをしたことは大きな経験になりました。自分がプロ入りしてから一番大きな試合だったと思います。ただ、リーグ戦で2位になっていれば自動昇格できたわけだし、3位になっていれば名古屋とのプレーオフ決勝は引き分けでも自分たちが上だった。そういったところで勝負の厳しさを味わった時間でもあります」

 

――昇格できなかったという事実をどのように受け止めていますか?

「自分の力のなさと、チームとして決めるべきところを決めるという大切さを痛感しました。勝ち切らなければいけない試合を勝てなくて、終盤の大事な局面で6試合勝ちなしと足踏みしてしまった。その間に自分が1点でも取れていれば結果は違ったかもしれない」

 

――個人に目を移して、18試合0得点という結果はどうでしょうか?

「もちろん満足していません。フィニッシュ場面での精度や落ち着きのところで、試合勘が落ちてしまっている部分はあったかもしれません。ただ、PKを3本獲得できたのは特徴を出せたからだと思うし、アビスパになかった攻撃のバリエーションをもたらせたことは良かったと思います」

 

 

 

――シーズン途中からの加入は難しさがありましたか?

「難しかったですけど、それ以上に楽しかったです。昇格争いをしているチームにわざわざシーズン途中から加わるわけで、必然的に課せられているハードルは高い。それでも必要とされるのは嬉しいですし、だからこそ楽しかったです」

 

――移籍してからはどんな気持ちでF・マリノスを見ていましたか?

「もちろん応援していました。つい最近までチームメイトだった選手たちが優勝やACL出場権獲得を目指して戦っているのだから、勝ってほしいという気持ちで見ていました。それにF・マリノスは、大ケガでしばらくプレーできない状況の自分を獲得してくれたクラブです。感謝の気持ちが消えることはありません」

 

 

 

――自分が出場していたら、という目線で見ていた部分もありますか?

「対戦相手が守備に重きを置いてサイドアタッカーをケアしてきた時に、チームとしてどうするか。相手の裏へ走ることでディフェンスラインに脅威を与える動きや、仲間のためにスペースを作る動きも必要です。自分がいたら何をするかなと想像しながら試合を見ていました」

 

――そして、F・マリノス復帰を決断した理由は?

 

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