「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「勝って反省できるのは大きい」(兵藤) [磐田戦後インタビュー]+俊輔・栗原・冨澤・アンドリュー他 -2,327文字-

 

【players voice :MF 25 中村 俊輔】

――3連勝を飾った

「相手が一人少なくなってからの勝つサッカーはだいぶできている。これから勝てるような試合なのに勝てなくなるときが来る。だから今日の勝ちは大きい」

――あえて課題を挙げるなら?

「終盤、味方を見ないでボールを蹴ったり、マークも甘くなる場面があった。最後の何分かは良くないところもあった。(端戸)仁と(齋藤)学がいて攻撃的になるのは悪くないけど、攻撃的にしつつ相手を抑えないといけない。交代はいいけど、中の選手の対応が問題」

――開幕から3試合連続でセットプレーから先制している

「勇蔵はよく浮かさなかったね(笑)。バチンと一発ではなかなか入らない。ルーズボールが大事になる。逆にウチがああいうのをやられないようにしないと。崩されていないのにああやって失点すると出鼻をくじかれる。ああいった失点はダメージが大きいので気をつけないと」

――試合全体としては苦労していた印象もある

「特に前半に相手がガチッと守ったときのビルドアップがうまくいかなかった。さぐりさぐりやっていると縦パスを入れても奪われてしまう。ビルドアップからのラスト3分の1の形が見えない」

 

【試合を終えて】
樋口 靖洋 監督

「まず開幕3連勝、そしてホームでの勝ち点3という結果について率直に喜びたいと思う。ゲームは戦う前から今日は難しいゲームになるだろうと選手に話していたし、実際にそうなった。相手の10番の選手をつかまえ切れず、前半はチャンスメークされた。ウチの攻撃に対しても相手が[5-3-2]のブロックを自陣につくる形で、ボールは持たせてくれるけどモビリティを出せなかった。そんな中、これで3試合連続でセットプレーから先取点を奪えた。これでゲームの流れをつかんだかと思った瞬間、また湘南戦と同じように失点してしまう。まだまだ課題が多い。後半に関してはモビリティという部分でもう少し相手のディフェンスラインを動かさなければいけない。そういう意味でディフェンスの裏に出て行く動き、そこにボールを入れていくこと、さらにそこに圧力を掛けていくということ指示した。選手たちはかなりシンプルにそれをやってくれて、相手のディフェンスラインを引っくり返すような形が多く作れた。今日の試合を見ている限りでは、まだまだ課題が多い。次はヤマザキナビスコカップの連戦になるので、コンディションを戻して次のゲームに向かいたい」

DF 22 中澤 佑二

「とりあえず勝ったことはよかったけど、点を取ってからすぐに失点したのはよくない。そこはしっかり修正しないと今後もズルズルいってしまう。ベルマーレ戦では点を取って、前からボールを奪おうとして失点した。今日はマルキの足の状態があまりよくなかったので一度引くような感じだった。そこでマイボールのスローインからの流れで失点した。それはいけないこと。全体の守備についてはチームとしてボールを奪いに行くのがウチのサッカー。だいぶリスクのあるサッカーをしている。そこで取れなかったときは僕と(栗原)勇蔵とテツ(榎本)の問題になる」

MF 7 兵藤 慎剛

「パンゾー(小林)のクロスで決まったようなもの。あとは前でマルキがつぶれてくれたから。自分のところにこぼれてくると思った。でもチームで取ったようなゴール。ああやってクロスから決まるゴールは去年まで少なかったし、チームとして2点取れるようになったのは少し成長したかなと思う。チームそのものとして前半は良かったわけではない。先制したあとに失点したけど0-0と考えれば問題ないというポジティブな言葉が出ていた。それに前半はやられてもおかしくないシーンがいくつかあった。全員が体を張っていたと思うし、強いチームはああいうところで失点しない。ただ、失点してチームの気持ちが切れてもおかしくないところで勝ち切ったのは大きい。3連勝だけど今日が一番大きい。それと勝って反省できるのは大きい」

DF 4 栗原 勇蔵

「(ゴールについて)ああいうところにボールが落ちてくるのはよくある。いつもは相手が寄せてきてシュートを浮かしてしまう。でもあのときは相手があまり寄せてこなくて、最後までボールを見て決めることができた。点を取ると貯金じゃないけど、自分の中で余裕が生まれる。してはいけないことだけど、最悪ミスして失点してもチャラなので思い切ったプレーができた(笑)。最初は流れが悪くて、ボンバー(中澤)やマチ(中町)がギリギリのところでクリアした場面もあった。ああいうところを決められていたら流れはまったく違っていた。3連勝はこれまでだと年間に1回か2回できればいいほうだったけど、それが最初にできた。4連勝できるように次も集中してやりたい」

MF 27 富澤 清太郎

「(途中交代について)つった。前半からつっていて、でもオレはつっても最後まで大丈夫なタイプなんだけど、最後は衝撃が強烈すぎた。ゲーム展開としては、今日は修正しながらやるような形になったけど、後半はいい入り方ができたと思う。その結果として相手が一人少なくなった。我慢比べの中で、いろいろ考えながらやっていくのも楽しいからいいと思っている」

MF 14 熊谷 アンドリュー

「カンペーさん(富澤)が足をつって、出番をもらった。最初はちょっと緊張したけど、失点しなかったのはよかった。自分の活躍とかではなくてチームの勝利に少しだけ貢献できたと思う。指示としては、ボールを奪ったらサイドに蹴ってもいいということだった。守備をやってほしいと言われた。このあとナビスコカップもあるのでチャンスをもらえるようにアピールしていきたい」

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