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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ファビオ、齋藤学スタメンか [試合直前プレビュー] ナビスコカップ予選川崎戦 (藤井雅彦)

ヤマザキナビスコカップには『ベストメンバー規定』なるものが定められており、それはカップ戦だからといって極端にメンバーを落とさないために設けられたJリーグの戦略である。規定によると、直近のリーグ戦5試合に先発出場した選手のうちの半数以上(6人)が先発出場しなければならない。直近のリーグ戦5試合で所属する全選手が先発出場していれば何も問題ないわけだが、現実的にはちょっとありえない話だ。
ただ、このルールにはちょっとした抜け道も用意されている。直近のリーグ戦5試合を消化していない時点では、ルールそのものが適用されない。つまりリーグ戦第5節を消化する以前のナビスコカップでは、極端に言えば“総替え”もアリなのだ。明日はミッドウィークの水曜日ということもあり、チームによっては大幅にメンバーを入れ替えるチームもあるだろう。戦力的に苦しいチーム、あるいは流れの悪いチームはそういった判断を下すことが多くなるだろうし、リーグ戦に全力投球させても不思議ではない。あるいは明日はメンバーを入れ替え、週末のナビスコカップ第2節だけはリーグ戦と変わらぬ主力組を出場させるチームもあるかもしれない。これには週1回の試合間隔を保つ意味合いがある。

動向に注目が集まる中で、開幕から3連勝中のマリノスを率いる樋口靖洋監督は、いわゆる“ガチンコ”で川崎フロンターレとの神奈川ダービーに臨む構えだ。主にベテラン勢を休ませる選択肢もあったのだが、ドゥトラもマルキーニョスも中澤佑二も中村俊輔も、先発で試合に出る。

「ベテランのコンディションについては基本的に3連戦は問題ないと思っている。これが4連戦や5連戦になるとパフォーマンスに影響してくる。でも今回は3連戦だし、まだシーズンの最初なので」

 こう話したのはもちろん樋口監督である。試合前日に行われた紅白戦では主力組にベテランが勢揃いしており、手を緩める気など毛頭ない。むしろ「タイトルがかかった大事な大会」(樋口監督)の初戦となる。

ただし栗原勇蔵は日本代表に招集されているため不在。穴が空いたCBは選手起用における最大の注目であり、いくつかの選択肢があった。もっともわかりやすいのは、そのままファビオを栗原のポジションに当てはめ、中澤とコンビを組む形である。ただしファビオが公式戦でどれだけのパフォーマンスを見せるかは未知数。慎重で堅実な樋口監督が富澤清太郎をCBに下げ、ボランチに熊谷アンドリュー、あるいは兵藤慎剛を起用する策もなかったわけではない。

結果的に樋口監督のチョイスはファビオのCB起用だった。それだけでなく「楽しみですよ。ヘディングの打点は相当高い。点を取る気がしている」と満面の笑みを見せたのである。選手起用についてここまで自信をのぞかせる指揮官は珍しい。始動日以降、新加入のブラジル人CBが主力組に入る場面は限られていたが、それでも周囲の彼への評価は決して低くなかった。指揮官同様、真面目で勤勉なタイプで、中村俊輔も「彼は好青年で学ぶ姿勢がある」とフォローしている。吸収力に優れ、練習に取り組む姿勢も素晴らしい。破天荒な明るさがあるわけではないが、かといって暗い性格ではない。若手選手とじゃれあう姿は20代前半の若者のそれだ。

フロンターレの前線には個性的な選手が揃っているため、個々の対決では後手を踏む場面もあるかもしれない。ただ、そこは百戦錬磨の中澤が隣にいる。同郷のパトリックを高さで封じ、大久保嘉人はボランチの富澤も含めた連係でカバーする。持ち前の高さとリーチの長い手足を駆使することで大きな穴は開けないのではないか。試合の入り方さえ間違えなければ、ある程度のパフォーマンスを期待できる選手だろう。
ファビオ以外にもようやくスタメン出場を飾りそうなプレーヤーがいる。齋藤学だ。開幕戦では途中出場で1ゴール1アシスト、第2節・清水エスパルス戦では同じく途中出場で2アシストを記録。するといつの間にかスーパーサブが定位置となり、時間経過とともに負傷が癒えてきたにもかかわらずベンチスタートが当たり前になってしまった。なんとも不遇な立ち回りになっていたが、チームに欠けている機動力を持っている数少ない選手であることは間違いない。

栗原こそいないものの、前線には本来のレギュラーである齋藤が戻り、マルキーニョスや中村ももちろん出場する。対してフロンターレは中村憲剛を日本代表招集で欠いており、いつものことながら「憲剛がいないのは大きい」(中澤)。リズムチェンジする存在を失ったフロンターレの戦力ダウンは否めず、マリノスにとっては確実に勝ち点3を奪取しなければならない相手となる。

会場はニッパツ三ツ沢球技場だ。桜の花はまだ満開手前だろうが、ひと足先に満開のトリコロールパラソルで4連勝を祝いたい。

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