失点よりも問題視すべきは数えきれないほどのミス [J3節 鳥栖戦レビュー]
今のスタイルを90分間ミスなしで貫くのは、ほぼ不可能だろう。目指すのはパーフェクトだが、現実はパーフェクトになりにくい。特に、この日のようにピッチコンディションが悪ければ不測の事態が発生する。ボールが走らない状況でボールがバウンドすればファーストタッチが定まらず、その後のすべてのプレーが次々と狂っていく。それを百も承知の上でアンジェ・ポステコグルー監督はスタイル貫徹を志している。
二つの失点場面は、いずれも自分たちのスタイルと関係のないところでのミスだった。1失点目は、相手GKのフィードを中澤佑二がヘディングでクリア。このボールを受けた天野純はダイレクトで扇原貴宏へのバックパスを選択したが「強く当たり過ぎてしまった」。趙東建への絶妙なスルーパスのような形となり、まさかの先制を許した。スタイル云々ではなく、普通のプレーが致命的なミスになってしまった。2失点目はあまりにも不運なハンドで、天野は「もったいないミスでゲームを壊してしまった。それがすべて」と言葉を振り絞った。
結果的に天野のミステイク二つが敗戦の要因となったが、そもそもこの日のマリノスにはたくさんのミスがあった。ミスが目立つのはゴールシーンをはじめとする勝敗を左右するプレーになった時で、ボールロストしても相手がミスでボールを返してくれれば記憶には残らない。喜田拓也に代わってアンカーの位置で先発した扇原貴宏は「今日は自分たちのサッカーが一番できなかった試合。立ち上がりからミスが多かった」と反省の弁。失点よりも問題視すべきは数えきれないほどのミスである。
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