デイリーホーリーホック

【シーズンオフ特別企画】ボランティアグループ「Tifare」代表補佐・栗原賢二さんコラム  「裏方魂⑤ 運営レベルの自己採点」(2013/1/21)※全文無料公開

ボランティアのいいパフォーマンスとは?

サッカー雑誌を読まれる方は、試合レポートのメンバー表に「5.5」などの数字を目にすると思います。選手がどれだけ活躍したか、チームが機能したか、ゲームが面白かったかを示す指標ですね。野球に比べて個人個人を数値化するのが難しいスポーツなので、そのまま鵜呑みにはできませんがとりあえず水戸の選手に「7.0」とか付けられているとテンション上がります(笑)。

私達が関わるスタジアム運営の現場でも、良いパフォーマンスができる日と少しイマイチな日があります。左右されるのは天候やイベント、ボランティアの参加人数など。雨が降るとそれだけ準備に手こずりますし、配布するものが多いと余力を生み出すのが難しい。

ただ、どんな条件であれ選手が言い訳をしてはいけないように、裏方も常にその時々の「ベター」を探りながら活動しています。忙しくても基本は崩さない。余裕が生まれたらもっと細やかなサービスができるよう、考え動く。

お客さんが楽しんでもらえるスタジアムにするため、いつも全力投球!と、胸を張って言い切れれば格好いいのですが(苦笑)明らかに参加人数とイベント数がつり合ってなくて、予定表を見た段階で「あ、今日ムリ!」と直感する時も正直あります。

とはいえ、運営をボイコットしたらゲームが成り立たないので、統率する立場として「少ないなりの最善策」に頭をひねります。誰をどこに配置したら良いか? 休憩のタイミングは? 開場まで、どのレベルまで準備できる? 開場30分前なら? あの備品は最初から用意しないとマズいな。スタッフと注意事項を確認しておこう。大事な表示物は先に貼っておきたい……etc.

過去最高は昨年10月の岡山戦

ここで冒頭の「5.5」の話に戻り、その日の体制でどれだけ良い運営ができるかを、頭の中でシミュレーションします。「4ぐらい(5段階評価で)やれる!」「うーん、3行ければ上等だ」などと。実際やってみて予想を上回れば勝ち、下回れば負けとしています。でも皆には言わない(笑)。試合に勝って、運営でも勝った日は気持ちいいですね。

あくまでも自己採点ですが、過去最高は昨年10月の岡山戦です。「4.2」は付けられる。試合はスコアレスドローで楽しめなかったかもしれないけど、運営的には配布も導線も上手く回りました。余裕と緊張感の、バランス取れた状態が一番いいなあと。私個人としては「今日はやり切った、アイス食べて寝る!」と思えるゲームでした(笑)

ただしこの「4.2」や「5」も、「現在の水戸ホーリーホックの規模でやれる限界点」という意味。日常的に「10」のレベルでやっているチームもありますし、J1のトップなら「20」ぐらいの水準でしょう。海外のマンチェスターUやバイエルン・ミュンヘンだったら軽く「100」を超えると思います。本気でJ1を目指す伸びしろとして、水戸も「6」や「7」を現実にしなくてはいけません。

ボランティアメンバーは本当に頑張っています。試合当日のスタジアムでいつも思うのは、
「この人がチケットを切ってくれるからサッカーが成り立つ」
「この人がマッチデーを配るポジションにいてくれて、本当に助かった」と。

お読みになっている皆さん、1試合でも良いので私達を、水戸を助けてください。観客動員が増えたのはとても嬉しいし、これからも増やしたい。
しかし比例して現場の負担が増えています。「そこに1人いる事」が本当に現場を救い、チームを伸ばします。

運営に関わると一緒に闘う感覚が味わえて、強くなった時の嬉しさも数倍になります。
ともにJ1へ、駆け上がりましょう!

(栗原賢二)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ