デイリーホーリーホック

【HHレポート】ヒューマンストーリー「『茨城大学アナウンスステーション』OGのNHK水戸放送局キャスター金田優香さん」(2016/7/12) ※無料記事

【写真 金田優香さん提供】

※ホーム試合で場内アナウンスをしていた学生時代 【写真 金田優香さん提供】

今年の町田戦の中継でピッチリポーターとしてKSスタに凱旋

「昔に思い描いていた事が実現して、試合前日や終わった直後にジワッと来ましたね」。
ホームゲームの演出の中核を担う学生サークル「茨城大学アナウンスステーション(アナステ)」の元メンバー。現在はNHK水戸放送局の昼前の帯番組「いばっチャオ!」や「ひるまえほっと」、朝のニュースやラジオを担当する水戸市出身のキャスターだ。
今年6月12日、NHK水戸放送局の町田戦の中継で、念願だったホーリーホックのピッチリポートを果たした。

中、高校時代は放送委員。その一方で、幼少の頃からスキーを始め、中、高校時代は少林寺拳法に明け暮れた、文武両道の学生時代だった。
高校教諭の父と同じ道を歩もうと、同大の教育学部に入学。しかし就活や教員採用試験を意識し始めた大学2年の時、自分自身と向き合い、「雲の上の存在」だったアナウンサーを目標に変えた。
そして都内のアナウンス教室に通いながら、人前で話す場を求めて同サークルの門を叩いたことから、ホーリーホックとの縁が生まれた。

※アナステ時代にはFMぱるるんの生番組「Radio Junky」のDJも担当。 【写真 金田優香さん提供】

※アナステ時代にはFMぱるるんの生番組「Radio Junky」のDJも担当。
【写真 金田優香さん提供】

ハーフタイム中のコーナー「HOLLY TIME」、場内アナウンス、裏方の音響ミキサーなど、重要な運営業務をアナステが回している。09年から約2年間、ホームゲームはほぼ毎回、学生ボランティアとしてプロスポーツに携わった。
選手が参加する地域のイベント会場の司会進行。スタジアムに響き渡る自分の声。プロサッカー選手との交流。垣間見えるプロスポーツや放送業界の裏側。NHK水戸放送局のアナウンサーやキャスターの現場の仕事姿。全てが刺激的だった。
2010年7月25日、雷雨により試合途中で中止となった大分戦では、イレギュラーな状況に慌てふためくことなく、次々に舞い込む情報を自ら原稿に起こし、冷静に対応。来場者全員を事故や怪我なく、安全に避難、誘導した。
ホームゲームでの活動中に目に焼き付いたのは、熱意溢れるボランティアスタッフの姿だ。
「ほとんどの方が仕事もしているのに、皆さんほぼ毎試合参加していてい『俺たちがホーリーホックを支えているんだ』と誇りを持って取り組んでいました。年齢も性別もバラバラなのに、ホーリーホックを通じてボーダレスで繋がっている。彼らの姿を見て、スポーツの力を実感したんです。私自身、スポーツを続けてきましたし、ずっと水戸育ちで茨城が好き。地元のチームであるホーリーホックが次第に誇りに思うようになっていきました」。
茨城は全国で唯一、民放の県域テレビ局がない。自ずと第一志望は「NHK水戸放送局のスポーツキャスター」となった。

※雷雨で試合中止となった2010年の大分戦。冷静な場内アナウンスで観客を避難誘導した 【写真 金田優香さん提供】

※雷雨で試合中止となった2010年の大分戦。冷静な場内アナウンスで観客を避難誘導した
【写真 金田優香さん提供】

※場内アナウンスの原稿、水戸放送局やホーリーホックについて記した学生時代のノートは今でも大事に保管している。アナステ引退後は私物のグッズ(写真)を持参してバックスタンドから水戸を応援。 【写真 米村優子】

※場内アナウンスの原稿、水戸放送局やホーリーホックについて記した学生時代のノートは今でも大事に保管している。アナステ引退後は私物のグッズ(写真)を持参してバックスタンドから水戸を応援。
【写真 米村優子】

「水戸のホームゲームは茨城が盛り上がる絶好の機会」。
就活用のノートやエントリーシートには、ホーリーホックのスタジアム運営サポートでの出来事をぎっしりと書き込んだ。
しかし狭き門をかいくぐった先は、水戸局ではなく、お隣の宇都宮局。
「一回で上手くいくタイプではなくて、一度ガクって来ることばかり。でも『頑張っていれば、どこかで誰かが見ていてくれる』と信じているんです」と与えられた仕事に邁進した。
キャスターは裏方の仕事も多く、インタビューの文字起こしで深夜に帰宅することも少なくない。そんな多忙な日々だったが、時折水戸の応援に駆け付け、多くの顔なじみとの再会を喜んだ。
そして昨年、5年越しの努力が結実。スポーツキャスターデビューとなった今年の町田戦では、水戸のボランティアスタッフらも「金(きん)ちゃん」の凱旋に沸いていた。
「学生時代の様々な経験が、水戸局で少しずつ形になっています。地元出身を活かしながら、一人前のキャスターとなるために、もっと専門知識を身につけていきたいです。ホーリーホックには一歩一歩、地道な努力を続けて、着実に勝利を重ねて貰いたい。ずっと応援し続けています。そしてどんどん水戸をPRして欲しいと思っています」。

金田優香さん
水戸市生まれ。誕生日はホーリーくんと同じ6月11日。稲荷一小、清真学園中・高、茨城大学教育学部(理科選修)卒。茨大の放送サークル「茨城大学アナウンスステーション」のメンバーとしてFMぱるるんの生番組「Radio Junky」のDJ、日立ケーブルテレビJWAYの市民アナウンサー、水戸ホーリーホックのホームゲームの場内アナウンス、音響などのボランティアスタッフも担当。2010年度「水郷潮来あやめ娘」として潮来市のPR活動を担う。2011年、茨城大学ミスキャンパスでグランプリを獲得。大学卒業後はNHK宇都宮放送局を経て、2015年からNHK水戸放送局キャスターに就任。中・高校時代は少林寺拳法に取り組み、フルマラソンは3回完走。富士山、谷川岳など関東近郊の登山経験も豊富。幼少の頃から続けるスキーは準指導員の資格を持つ。幼稚園・小・中・高(理科)の教員免許所持。

【写真 金田優香さん提供】

※アナステ時代、ピッチサイドで運営ボランティアをしていた 【写真 金田優香さん提供】

(米村優子)

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