【コメント】「明日同じようなことになるかもしれない、ということを思いながらやらないといけない。今はサッカーをやれていますし、大切にやろうと、強く思いました」(森谷賢太郎)
脊椎損傷による下半身麻痺と戦う先輩についての森谷賢太郎のコメントです。
大学時代の先輩が交通事故によって歩けなくなりました。
その先輩が「歩く」ことを、そして先輩のようにもう一度「歩く」ことを目指す人たちを支援するプロジェクトが立ち上がりました。少しでも脊髄損傷の方の「歩く」ことの手助けになりますようにhttps://t.co/hDN5yUJkNT— 森谷 賢太郎 (@moriya_kentaro) 2016年4月4日
ファイティン! https://t.co/G9EQY9v8Yn
— 森谷 賢太郎 (@moriya_kentaro) 2016年4月4日
死にかけた愛するアホ旦那をもう一度歩かせたい!
〜 Re:Walkプロジェクト 〜
https://greenfunding.jp/lab/projects/1455「クラウドファウンディング(ネットを使い、広く支援を募る募金の手法)」
1日で目標の200万円を達成していますが、支援金自体に上限はないはずなので、興味があるかたは支援を検討してみてください。1000円から可能です。
▼森谷賢太郎
--脊椎損傷の件で支援を呼びかけている木戸さんとは大学時代から親交はあったんですか?
「知ってました。でも木戸さんはAチームには居なくてBとかCでしたが、筑波は大学内のつながりが強いので、チーム分けには関係なく上の人とも交流はありました。応援もすごくしてくれてるのは分かってました。仲の良い先輩でした」
--サッカー部の人数は多いですよね、筑波は。
「だから知らないというか、名前がわからない先輩も居ますけど、木戸さんは良くしてくれてました」
--ああいうことがある前から付き合いはあったんですか?
「はい、ありました。いつもご飯とか行ってました。サッカーに関わる仕事だったので、そういうのでご飯食べに行ったりしてました」
--あらためて読み直したら事故はホームの浦和戦(2015年4月12日)の前ごろなんですかね。
「そうです。ちょうどその時にも事故から1週間くらいで。その後、意識が戻ってICUでちょっとずつ良くなって来るのと同時にオレ、点取れなくなりました(笑)」
--(笑)。浦和戦の試合後にそういう話をしなかったのは?
「そうですね。別に言うことじゃないかなと思いましたし、逆にそういうことを言われて迷惑かなと思ったので」
死にかけた愛するアホ旦那をもう一度歩かせたい!
〜 Re:Walkプロジェクト 〜
https://greenfunding.jp/lab/projects/1455
旦那の事故直後の公式戦でゴールを決めた彼が「このゴールはキドさんと彩さんのためにとりました。二人なら絶対に大丈夫です!」と言ってくれたコトは一生忘れません。
--森谷くんのつぶやきを見てこんなことがあるのかと思いました。
「あれとかもすごいシステム(クラウドファウンディングのこと)ですよね。内容も知らないことばかりだったし」
--ちょっと調べてみたけど、脊椎損傷の度合いにもよるけど厳しそうですね。
「普通に歩くのは無理ですね。ブログにも書いてますが、足に補助のやつを付けて歩くみたいな。木戸さんの場合は重症な脊椎損傷なので。程度があって、下半身だけだったら自分で排泄とかもできるけど、自分ではできないというレベルみたいです」
--動画を見てたら失禁もあるという話も出ててね。
「そうらしいですね。だから結構重症な重症な脊椎損傷みたいです」
--でも、将来的にはそういう器具を使ってでも…。
「そうですね、歩きたいんじゃないかと思います」
--スタジアムにもくるのかな。
「何回かは来たことはあるみたいです。ケガする前もそうですし、してからも車いすで来てます」
--賢太郎さんがプロになってからも試合には見に来てくれてたんですか?
「そうですね。それこそ奥さんと結婚したのが2年前くらいで。マリノスの時ですかね。たまたま大阪の後泊の時に、木戸さん大阪に居て筑波の先輩が一杯居たのでちょっとご飯行こうよ、という話でご飯に行った時にたまたま奥さんも一緒にいて。はじめてそこ出会って、そこから付き合い始めたみたいです。だから奥さんとも知ってて、つながりはあります」
--先輩後輩のつながりは筑波は深いんですかね。
「そうですね。結構出てない人が本当に自分がやってるかのごとく応援してくれますし、おれが逆の立場だったら無理だなと思って(笑)。本当に下手な人も居て、4年間で絶対に試合に出ることはないでしょう、という人こそ、サッカー部のためにやろうということでまとまってました。それこそ木戸さんは、オレが1年の時に試合に出てて、木戸さんは3年生でCチームでしたが、けど『3年生はみんな認めて応援してるから頑張れ』って言ってくれて。そういう意味では部活としてはすごくいい環境だったと思います」
--指導者を目指す人が多くて、そういう意味では意識が高い集団だという話を谷口彰悟がしてましたが。
「そうですね。そういう意味では私生活とかは厳しい感じはありました。同い年のやつに怒られる人も居て。おれは無かったですが、それはダメでしょう、ということを言われてたりしてました。そういう集団でしたね」
--ここからより一層、活躍して行かないとですね。
「そうですね。本当にいつ、ああなるかわからない。ケガもそうですし、事故にあって体を悪くするかわからないということは感じました。明日同じようなことになるかもしれない、ということを思いながらやらないといけないかなと思います。今はサッカーをやれていますし、大切にやろうというのはその前からもそうですが、その時は本当に強く思いましたね」
--自損事故なんですか?奥さんが『アホ旦那』って書いてて気になってたんですが。
「いや、普通に歩いてて突っ込んで来られたのかな。キャッチコピー的にはわかりやすいんじゃないですか(笑)。ぼくはうまいなと思いました(笑)」
--オーストラリアでそういう(脊椎損傷患者に関する)医療機関があるんだね。
「海外の方がそういうのは進んでいるようですね。日本はそういうのは無いということみたいです。そういう実情も知らなかったです。
支援をしてもらえたらいいですが、それは賛否両論あると思うので。それを支援するかどうかは別として、そういうことがあるということを知ってもらえるのはいいと思いました」
--ああいう症例と向き合う人が日本語で体験記を綴るというのは大事だと思うんですよね。今はまだ文献的に英語とかがほとんどのはずだから。
「同じような人は何人もいると思うので、そうですね」
※wikipediaによると脊椎を損傷する方は日本国内で毎年5000人くらいだそうです。
脊髄損傷
「〜日本国内で年間5000人と言われる新たな脊髄損傷患者〜」
(取材・構成・写真/江藤高志)