「川崎フットボールアディクト」

■藁科義弘社長が旭日旗掲出に対するAFCからの処分について、上訴手続きなどを説明

■違和感
1)、2)については処分の理由の柱になる部分だ。特に1)について藁科社長は以下のように述べて疑問を示している。

「独立した調査”Independent Research”というものは誰がいつどのようにまとめたものなのか。その内容は一切開示されていませんでした。そもそもその調査自体の中立性は誰が決めたのか。Independent Research自体が中立的で政治的主張を持っていないということが一切書かれていないので、どれだけ信用できるのかについて疑問を持ちました」

2)について

特定の旗やものについて、特定の人たちの反応をもって何らかの意味が広く認定されることについて疑問があるということ。

これはたとえば、それまで全く問題視されていなかったものが、何十年も経過したのち、誰かのバカげた、差別的な行為の尻拭いとして、どこかの国やその国の人達が唐突に始めた新たな主張で、全世界的に意味付けが変わることの恐ろしさを示している。

旭日旗が今回差別的、政治的な意味合いを認められたとして、同じ手法で今度は日本の国旗である日の丸が差別的、政治的な意味合いを認められないと誰が言い切れるだろうか。旭日旗での成功体験を元に、次は日の丸に攻撃対象が移ることは容易に想像できる。

今回AFCのIndependent Researchなるものは、旭日旗に対して差別的、政治的な意味を持つと認定している。この点についての疑念について藁科社長は次のように述べている。

「旭日旗が韓国の地において韓国人に向かって掲出されることが差別的、政治的だという記載がありましたが、一部の地域だとか相手によって(旭日旗の差別性、政治性を)断定されることというのはこれは不合理ではないのかと思っています。旗の持つ意味ではなく、一部に対しての反応をもって差別的だというのはおかしいのではないかと思います」

全くその通りだと思う。

なお、川崎に限らずJクラブは中韓のアウェイでの旭日旗の掲出を自粛するようサポーターに求めてきた。こうした事実をもってJクラブが、旭日旗に政治的、差別的意味を認めているわけではないのは理解してもらえると思う。この件については藁科社長は次のように述べている。

特定の国で旭日旗が掲出された場合「大会運営に支障をきたす可能性があるので、これは問題の発生を事前に排除するという配慮をサポーターに求める」ための自粛の呼びかけであるということ。

これは例えば、イランなどのイスラム教国を訪問する際、女性に頭髪を隠すようスカーフをかぶることが求められ、実際に女性はその指示に従うということを考えればわかる。これはそうすることで問題の発生を未然に防ぎ、身の安全を確保しているのであって、そうする女性のすべてがイスラム教に改宗したわけではないのは自明だ。

アウェイではアウェイのしきたりがある。それに従うのは紛争回避の知恵であり、相手側の意見を全面的に受け入れたわけではないことは誰でも理解できるはずだ。

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