長崎サッカーマガジン「ViSta」

選手のことば~色んな部分が見えてくる~

シーズン中に取材をして話を聞いていると、選手の色んな部分が見えてくることが多い。思った以上に、真面目な選手もいれば、熱い選手、冷静な選手、寡黙な選手が呟いた言葉が、物事の本質を突くような鋭い一言だったりすることも・・。今季、取材をしている中で聞けたそんな言葉を少しだけ紹介します。
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takasugi
●髙杉亮太 DF

「僕らには必ず次の試合があるけれど、お客さんの中にはその試合しか見られない人もいると思うし、そういう人たちのために勝利を見せていきたい」
(5月 練習後)

開幕前の怪我から復帰したばかりの髙杉選手に、ホームゲームを迎える直前に聞いた言葉。試合や勝利以外に、観客のこと・・それも、この試合しか来れない観客がいるかもしれないと考える辺りが実に髙杉選手らしい。この辺りの気遣いがキャプテンとしての資質なのかも??

yonji
●李栄直 DF

「僕ら選手がもっと良いプレイをして、人を呼ばないといけないなと思いました」(3月 練習後)

ホーム開幕戦の感想を聞いた時に栄直選手が返した言葉。この言葉の後、「試合の途中で相手の応援が聞こえてきて、長崎の応援が聞こえないってこともあったので、僕たちがしっかりしないといけない」と語っているとおり、周囲に押しつけるのではなく、まず、自分にできることを考える・・実に自分に厳しい栄直選手らしい言葉。

okubo
●大久保拓生 GK

「コーチングも聞こえないようなレベルを僕らは目指しているんですから」(8月 練習後)

GKにおけるコーチングの重要性について話していた時に、大久保選手が語ってくれた言葉。「気づいたことや感じたことはコーチングはするようにしています」とコーチングの重要性について説明してくれた後、「でも、コーチングの声が伝わらないこともあるんですよね。特にレベルが高いところでは、観客も増えるし、コーチングはどんどん聞こえなくなる。究極的には、それぞれの選手が感じてやるべきことなのかもしれません」と語ってくれた。実際に試合で戦うGKだからこそ感じる言葉。

kurogi
●黒木聖仁 MF

「もっと、J1を意識する発言がチーム全体から多く出ても良いと思います」(3月 練習後)

この言葉のあと「厳しい戦いがくると思うんで、そういう目標がないと乗り越えられないと思う」と言葉を続けたとおり、今シーズン、最も強くJ1を意識して戦っていた選手の一人が黒木選手だった。この時期はまだメディアも選手も「J1を目指す」という発言はあっても、ひんぱんには使っていなかったので、強く印象に残っている。

kitagawa
●北川滉平 MF

「同年代の選手には絶対に負けたくない」(2月 練習後)

笑顔でサポーターに接する北川君ですが、実はかなりの負けず嫌い。シーズン前に目標を訪ねた時も「20試合以上に出場したい。10得点はあげたい。大きい目標だけど、同年代で、それくらい活躍している選手が大勢いる。自分の夢のためにも、長崎のためにもそれが目標です」と力強く答えていた。その辺の負けん気がシーズン終盤の台頭につながったのかもしれない。

kanzaki
●神崎大輔 MF

「いや、まだまだ俺の方が上手いですけどね(笑)」(11月 練習後)

取材後、神崎選手と話している時に北川選手について話題が及び、「北川に任せます。11番はあいつになりますよ(笑)」と言った後の言葉。チーム在籍最長年の神崎選手。本人も「昔はドリブルで抜けたら良しみたいな感じでした」と言う、強気一辺倒だった若手の頃からは、想像できないほど落ち着いたセリフです。昔、佐藤由紀彦さんに神崎選手のことを聞いた時に「いや、(僕を)まだ抜かせません。出る杭は打ちます(笑)」と笑っていたことを思い出させる一言だった。

reported by 藤原裕久

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