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松沢呉一のビバノン・ライフ

豊田真由子議員の暴行事件—政治家のプライバシーについて- (松沢呉一) -3,004文字-

プライバシー暴露に関わる話を循環しようと思って前文を書いていたら、また長くなっちまったので、独立させました。そんなに強いつながりがあるわけでもないので、タイトルから「予告編」も外しました。

 

豊田真由子議員の暴行事件

 

vivanon_sentence話題沸騰の豊田真由子議員の件で私もFacebookでいじりまくっています。でも、私なりの線引きが存在しています。

河村建夫議員が「あんな男の代議士いっぱいいる」と語ったことに対して、「いやいや、事を正確に見ようぜ」と私は思いました。あの音声の強烈さが話題を大きくしていることは間違いないとして、そもそも「週刊新潮」がこれを記事にして、音声までを公開したのはそれ相応の根拠というものがあると推測できます。

汚い言葉に寛大であり、とくに女の汚い言葉は歓迎する傾向のある私でありますが、これはたんなる罵倒ではありません。暴行が加わっています。

女の暴力にも寛大な私ですけど、運転中の暴力って道ばたの暴力と違うでしょう。こづく程度でもまずい。事故ったらどうするの? 人を轢いてしまったらどうするの? 「轢き殺して、そんなつもりはなかったんですぅ〜」で済まないわけですよ。激高すると、その判断もできなくなる政治家ってダメでしょ。

もうひとつはその対象です。秘書ですから、その立場上、抵抗できない。運転中はいよいよ抵抗できない。その状態で殴ったとなったら、容認できないでしょう。同僚議員をぶん殴ったなら頭を下げておしまいでもいいし、安倍晋三を殴ったら拍手喝采ですけど、この場合は擁護の余地なしだと思います。

一般に男が女を殴ったら非難は数倍になる。それと同じです。「豊田議員は女だから」と批判をためらう人は一から出直した方がいいと思います。この件で誰が圧倒的な力を持っていて、誰が抵抗できない立場にあったのか。

と同時に、政治家としての資質を問われるのも当然です。「弱い立場の人たちのために」なんて言っているのはウソかよって話になる。

そんな根拠がなかったとしても、あの音声は強烈であって、騒ぎになった可能性は十分ありますが、罵倒だけであったら、擁護の余地はあったかもしれないし、「怖いけど、オモロいおばさん」で済んだかもしれない。

 

政治家でも晒されていい範囲ってもんがある

 

vivanon_sentence豊田議員をその範囲では叩きまくっていいとして、Facebookで、友人と称する人が自分しか知らないであろう豊田議員のさまざまをばらしているのは「どうなんか」との疑問が強くあります。このところ、ずっとこれについて考えてました。

豊田議員の子どものためかのように見せていながら、その建前は相当に怪しい。両者はFacebookでも友だちになっていないところにも、その関係が透けて見え、その意図も透けて見えるのですが、その意図はここでは置くとします。

たとえば豊田議員が「秘書にセックスを強制していた」みたいな問題だったら、下半身のネタを出す必然性がありますけど、このケースで学生時代の下半身ネタをばらす必然性があるんですかね。議員になる前であり、議員の資質とも直接関わるとは思えない内容です。

関係があるとしたら、模擬試験で不正をしていたってことくらいじゃないですか。それとてわざわざ出すようなもんかとも思いますし。

政治家ですから、プライバシーまで晒すことにも公益があると言えるかもしれないけれど、自分に照らして考えた時に、どういう意図であろうとも、これはやらないだろうと思います。現に私は政治家の下半身ネタを複数もってますけど、よっぽど自分の中で正当性が確信できない限りはバラさないです。いかにその政治家を嫌いであろうとも。

そこまでバラしていいという判断をするのは、たとえば「これをやっていいと判断する人たちの下半身ネタをバラすこと」です。読売新聞社員の下半身ネタをばらすのはあり。そういうところで人を貶めることに躊躇がない人たちの下半身を晒すことには私も躊躇は減ります。ゼロにはならないにせよ。

もちろん、これは私の感覚にすぎません。事実、この「豊田真由子さんと私の関わり」という文章を肯定的にとらえている人たちがいるようですから、プライバシーに関する考え方が違うのだとしか思えません。もし何かあったら、その人たちは全部バラしますから、周りの人たちは気をつけた方がいいですよ。

 

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