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【告知】7.22湘南戦は将棋コラボ〜将棋×サッカーコラボイベントの楽しみ方

7月19日に15歳になった天才(の中の天才)将棋棋士・藤井聡太四段の連勝フィーバーが世を席巻する中、2013年からコツコツと回を重ねてきたモンテディオ山形の「将棋×サッカーコラボイベント」が今年も開催されます。2017年の第1回は7月22日(土)、現在J2首位に立つ湘南を迎えるホームゲームです。あっ!最初にお断りしておきますが、藤井四段は来ません!(笑)

モンテディオ山形オフィシャルサイト
2017明治安田生命J2リーグ第24節 モンテディオ山形vs.湘南ベルマーレ 開催概要

回を重ねるごとにじわじわと認知が進み、ファンも増えている将棋×サッカーコラボイベントin NDスタですが、ここであらためて、このイベントの楽しみ方を紹介しておきたいと思います。
(ちなみに昨年のイベントレポートはこちら)

昨年9月、徳島戦での指導対局。指導を受ける顔ぶれは老若男女を問わない。

■15:00~15:50 指導対局(事前申し込み制) 場所:もんてランド(昨年と同じ)
「指導対局」は文字通り、プロ棋士から将棋の指導を受けるというもので、将棋イベントの定番コンテンツです。棋力は問わず、初心者でも丁寧に教えてくれます。プロから素人が教わるわけですから、通常は指導料を支払って指導を受けるのが普通なのですが、将棋×サッカーコラボでは無料(!)です。今回は1人の棋士が5名を指導するので20名限定。19日9:00時点ですでに埋まっておりキャンセル待ちを受け付けているそうなので興味のある方は天童市商工観光課(023-654-1111)へ問い合わせてみてください。基本的には指導を受ける人のための場ですが、見学は自由。プロ棋士が駒を扱う美しい指先を見るだけでも眼福です。(でも横からあれこれ口を出すのは反則です)

■16:00~16:55 特別公開対局 船江恒平六段 vs 渡辺東英奨励会5級
場所:もんてランド ふれあいステージ
公開対局も将棋イベントの定番コンテンツ。プロ同士のガチンコ対局から目隠し将棋などエンターテインメント要素の強い企画までバリエーション豊富ですが、今回は天童市少年少女将棋教室から、現在プロ棋士を目指して奨励会で研鑽を積む渡辺東英(はるひで)君が船江六段に挑みます。手合いは「香落ち」。船江六段が香車1枚を落とすものの、手加減なしで指されるそうですので熱戦必至です。この将棋を野月八段、遠山五段、黒沢五段が大盤で解説。たとえ将棋がわからなくても大盤解説を聞いていれば勝負所や形勢がなんとなく理解できてくるのも楽しいところ。「ドリブル」「ループシュート」「リトリート」など、サッカーで聞き慣れた言葉は普通の将棋解説でも時々出てきますが、スタジアムイベントなのでその頻度も上がるはず。

■17:00~17:20 特別トークショー
場所:もんてランド ふれあいステージ
参加棋士4人によるトークショーです。進行はふつつかながら私頼野が務めますが、多少の不手際があっても棋士の皆様のトークの面白さでカバーされるので大丈夫です。「サッカーと将棋の魅力」というざっくりしたテーマをいただいていますが、せっかくの機会、サッカーコラボならではのトークを引き出さなくては……と悶々と考え中ですので内容は当日を楽しみにお待ち下さい。時間があれば皆様からの質問も受け付けますので考えておいてくださいね!

注意していただきたいのは、特別公開対局とトークショーの場所が昨年と変わること!指導対局のすぐ北側の広場にテントをはっています。斜面の階段が客席になります。雨が降らず、あまり暑くない良い天気になりますように!

さて、今回のイベントにおいでいただく4人の棋士の方々について、簡単にご紹介します。将棋方面の情報は日本将棋連盟の棋士データベースで確認していただくとして、以下、将棋そのものには全く詳しくない将棋×サッカーコラボライターによる4先生の紹介です。

■野月浩貴八段 @nozuki221

ご自分がものすごくサッカーが好きなあまりに将棋とサッカーを結びつけてしまった張本人。今から20年も前に、ベッカムのクロスから将棋の戦法をイメージするというおかしなことをしていたらしい。モンテディオ山形と将棋のコラボも、野月八段が監修した将棋サッカー漫画「ナリキン!」(作・鈴木大四郎)をきっかけに始まり、天童市さんの積極姿勢により定例化しました。そのほか、コンピュータ将棋にも詳しかったりAbemaTV将棋チャンネル立ち上げに関わったり、守備範囲が広すぎて書ききれません。コンサドーレ札幌のガチなサポーターなのは郷土愛故なので、そこはモンテサポーターにも通じるはず。1973年生まれ。ということは木山監督の一つ年下です。

■船江恒平六段

日本将棋連盟には東京本部と関西本部があり、棋士は住んでいる地域によって東京所属だったり関西所属だったりします。これまでNDスタの将棋×サッカーコラボイベントにはたくさんの棋士の方々においでいただきましたが、関西所属の先生がいらっしゃるのは船江六段が初めて! モンテでも関西出身の選手にはトークの達者な選手が多いですが、船江先生もまたしかりです。現在、NHK「将棋フォーカス」(日曜日10:00〜/Eテレ)で将棋講座「船江恒平の終盤は筋よく指そう」の講師として出演中。1987年生まれ。児玉剛選手と同い年……には、見えないと言えば見えない。見えると言えば見える。

■遠山雄亮五段 @funnytoyama

将棋界で「編集長」または「プロデューサー」と言えばこの方。日本将棋連盟のモバイルサイト編集長を務め、棋譜のライブ中継の仕組みづくりに尽力しました。将棋って、プロの将棋を観戦して楽しむにも相応の棋力(将棋の強さ)が絶対条件!みたいな時期が長かったわけですが、ここ数年の間に「観る将」、つまり自分は指さないけれど観るのは好きという、サッカーなら当たり前のファンのあり方が増えてきました。そうしたファンの裾野を広げる活動のキーマンの一人であることは間違いありません。今やAIを語るのに欠かせない将棋ソフトに関する造詣の深さもハンパない。現役の棋士が普及や広報、コンテンツ企画運営の根幹にいるのも将棋界の面白いところです。1979年生まれ。サッカー界では黄金世代。つまり石川竜也選手と同い年です。

■黒沢怜生五段

奨励会3段時代にテレビ棋戦「NHK杯テレビ将棋トーナメント」(日曜日10:30~)の記録係を3年間務めていたため(そしてそのルックスも相まって)将棋ファンの間ではプロになる前からよく知られていた若手人気棋士です。とはいえ、プロとなる四段昇段からまだ3年弱。最近ではAbemaTVの将棋番組で解説や講師を務めるなど露出が増えてきましたが、素の部分に触れる機会はまだ多くありません。その意味でも、今回のイベント来場は非常に貴重だと思っています。1992年生まれの25歳。高木利弥選手と同年です。

最後に、翌23日(日)にJR天童駅隣パルテ1階イベントホールで開催される将棋×サッカーコラボイベント第2弾「ディーオカップ」について。小・中学生の将棋大会ですが、開会式にはディーオが挨拶(?)に登場する予定です。4人の先生方はここでも指導対局をされます。
午前の部 10:00~12:00(どなたでも参加可)
午後の部 13:00~15:00(ディーオカップ参加者のみ)
土曜日の指導対局をのぞいてみて、やってみたいなーと思った方は日曜日に行ってみるのもいいかもしれません。

藤井聡太四段や加藤一二三九段を入り口に将棋にちょっと興味が湧き始めたぞという方も、気軽に足を運んで欲しい将棋×サッカーコラボイベント。スーツや和服ではないカジュアルな棋士の方々を間近で見られる(話せる)チャンスです。ぜひぜひ、お待ちしています!

文・写真/頼野亜唯子、棋士写真:日本将棋連盟提供

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