赤鯱新報

【1/18新体制発表会レポート】少数精鋭のピンポイント補強で巻き返しに自信アリ。(2190文字)

昨年に初めて開催され、サポーターからも好評だった名古屋グランパスの「新体制発表会」。今年は少し会場を拡大して、名古屋市熱田区の名古屋市教育センター講堂にて開催。抽選により招待された800名のサポーターの前で、2015年の新加入選手、ユニフォーム、そして新たな取り組みなどが発表された。
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■愛されたいクラブ宣言
発表会の口火を切ったのは、昨年末から話題を呼んでいる「愛されたいクラブ宣言」の概要説明だった。壇上に上がった福島義広代表取締役副社長から、昨季までのクラブとしての取り組みについての反省が述べられたのち、「愛されたいクラブ宣言」を支える3本柱の詳細が明らかに。簡単に言えば、以下の通りだ。

1.ホームタウンのすべての皆様 ~もっと身近に。もっと楽しく。~
これは簡単に言えば、「もう一度足元を見直す」ということだ。スポンサーとサポーターを筆頭に、自分たちを取り巻くすべての“地域”と手を携えて活動していく、という方針を再確認し、強調するという意味である。

2.チーム ~アジアから世界水準を見据えて~
こちらは“クラブ”以上に“チーム”としての決意表明。優良なスポーツコンテンツであるためには、やはり強く魅力的なチームでなければならない。アジアでの戦いに切磋琢磨していた頃の熱を取り戻し、中長期的にそれ以上のチームになっていく、という宣言だ。

3.スタジアム ~新たな熱狂空間を創造~
これは今はまだ“願望”のレベルでしかないのだが、宣言することで不退転の決意を見せようという気概の表れだ。言ってしまった以上は後戻りはできない。有言実行で名古屋市内に新スタジアムを作る、というスケールの大きな目標である。

「愛されるクラブ」ではなく「愛されたいクラブ」を目指す中で、では現場はどのような取り組みをしていくのか。福島副社長の次に登場したのは強化の最高責任者、久米一正GMだ。まずは「捷 moving」という新スローガンが発表されるもはや代名詞の分析資料をもとに弾き出された昨季の反省点は、「とにかくホームで負けない!」の一言に尽きる。
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■新加入選手の主なコメントと久米GMの寸評
その後は新加入選手3名の紹介へ。新人として福岡大から大武峻、移籍で千葉から竹内彬、清水からノヴァコヴィッチの獲得が改めて発表された。新加入選手の主なコメントと久米GMの寸評は以下の通りだ。

●DF 5 大武峻
大武「川又選手が“ギラギラ”なら、僕は“ギラギラギラ!”してます!(笑)。皆さんも感じていらっしゃるように新人の感覚はないので、2年目の気分でプロとして結果を出します。期待していてください」
久米GM「闘莉王に怒られても知らん顔(笑)。体格とこの図太さ、この年代で日本代表に選ばれてもいい逸材です」

●DF 2 竹内彬
竹内「色々な人が“お帰り”と言ってくれるのが嬉しいです。4年間、J2でプレーしてきましたが、サッカーは簡単には勝てません。チームが一つになり、ピッチの11人以外も一つにならないと勝てないことが身にしみました」
久米GM「今、彼の肩に赤い糸くずがついていました。赤い糸で結ばれているんですね(笑)。2010年には押し問答の末に千葉へ移籍していきましたが、5年ぶりにどう?と話したところ、帰ってきてくれました。彼の熱さに期待してください」

●FW 18 ノヴァコヴィッチ
ノヴァコヴィッチ「このようなビッグクラブの一員になれて嬉しいです。みなさんの力と選手、スタッフの力を結集し、トップ3に入れるよう頑張ります。このチームを助けたいですし、若手の成長も助けたい。しかしまずは団結することです。私は100%を捧げたい」
久米GM「西野監督にどうしても獲得してくれと頼まれた選手です。(自分の古巣でもある)清水からは獲得したくはなかったんですが、契約が切れたので、来てもらうことができました。焼肉が大好きなんだそうです(笑)」
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■2年ぶりのモデルチェンジとなった新ユニフォーム
新加入選手の紹介の次は、2年ぶりのモデルチェンジとなったユニフォームの発表だ。モデルは今季から新背番号を背負う3名の中心選手。「6」の本多勇喜に「11」の永井謙佑、そして昨季限りで引退した中村直志の「7」を背負う田口泰士だ。ユニフォームは赤の濃淡が印象的なストライプ柄で、ここ数シーズンの定番となっていた黒のパンツが白へカラーチェンジ。赤のソックスとの組み合わせは発色の鮮やかさが目新しい。ユニフォーム紹介の際にはステージ上に、今季からホームタウン事業部の社員となる中村直志氏も登場し、場内からは「ウソ!?」と驚きの声も。新鮮な輝きを放つユニフォームを身にまとい、選手たちはいくつの勝ち星を刻めるのだろうか。
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最後に登壇したのは西野朗監督だ。2季目の指揮に「今年も名古屋の監督として仕事ができて嬉しいです」と発言し会場からは拍手が。今季の補強については「人数は3人ですが、クオリティを見てもらいたい」と手応えがある様子だった。その理由については「サッカーの試合を決めるのは両方のゴール前が究極。この3人はゴール前のスペシャリストで、チームのプラスアルファになってくれる」と期待を寄せた。

以上、1時間半にもわたる盛りだくさんのイベントは、最後にサポーターとのフォトセッションで大団円。「みなさんと一緒に、グランパスはスタートしていきます」という指揮官の言葉そのままの和やかな雰囲気で、2度目の新体制発表会の幕は閉じられた。
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reported by 今井雄一朗

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