赤鯱新報

【特別企画】「Qaijff(クアイフ)」インタビュー第3回:「ただ勝てばいいわけじゃない、そういう気持ちにすごく共感しました」(森彩乃、ピアノボーカル)

今季よりクラブのオフィシャルサポートソングを歌うプログレッシブピアノポップバンド「Qaijff(クアイフ)」。
ベースの内田がグランパスの育成組織出身だったことから生まれた今回のコラボに、メンバーたちは熱い気持ちで挑んでいる。ついに開幕した2016年シーズンを盛り上げる、新たなグランパスファミリーたちの生の声を、ここにお届けする。
2016シーズン オフィシャルサポートソング決定のお知らせ(公式)

第1回:「Qaijff(クアイフ)」インタビュー第1回:「中学校の時までは、『俺が日本を背負う男だ』って思ってました(笑)」(内田旭彦、ベース)
第2回:「Qaijff(クアイフ)」インタビュー第2回「内田は最初に会った時、『俺は他とは違うぜ?』って感じでした(笑)」(三輪幸宏、ドラム)
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第3回:「ただ勝てばいいわけじゃない、そういう気持ちにすごく共感しました」(森彩乃、ピアノボーカル)

Q:森さんと三輪さんは今回の話にあたって、グランパスのことはどれぐらい知っていましたか?

「私は本当に一般レベルというか、内田がグランパス出身ということもあっていろいろ知るきっかけをもらいましたね。ありがたいです。バンド名もクライフ選手からとっているものですし、ただ内田も最初はグランパス出身だってことをあまり推してこなかったんですよね。だからサッカーすごかったんだなぐらいに思っていたんですけど、徐々にいろんな情報が出てきて、吉田麻也選手と同期なの!? ほんとにすごかったんだ!ってなりまして(笑)。今回もこの話を頂けて、それがきっかけでさらにグランパスのみなさんを知ることができましたね」

三輪「僕はグランパスについてもそうなんですけど、サッカーを全然知らなくて。本当に内田を通して得る知識がほとんどです」

Q:今回の曲はグランパスの依頼を受けて制作した、という形ですか?

内田「経緯としては僕がグランパスの育成出身ということで、事務所とグランパスが知り合うきっかけを得た時から始まった話みたいです。だったらぜひと言っていただけたので、そこから制作を始めた曲です」

Q:では、完全にグランパスをイメージして作った曲というわけですね。

内田「そうですね。一番最初のデモ音源を作った時には、僕自身の生い立ちというか、僕のグランパスに対してこうありたいという気持ちを込めたものだったんです。でもグランパスの2016年の方針とか、こうありたいというチームの在り方を聞いた時、お客さんと僕たち、そしてグランパスの3つが結びつけるような曲にしたいと思い始めて、そうなってからは歌詞もアレンジもかわってきて、現在の感じになりましたね」

三輪「今まで、僕らの曲で『みんなで歌いましょう!』みたいな、シンガロングのセクションを明確に取った歌はなかったんです。そういうところが僕らには新しいというか、サポーターのみんなとつながろう、僕らもつながろうとなれるし、僕らのライブを見に来てくれたお客さんともつながりやすい曲になっていますね」

「私は今回の曲がきっかけで、選手のみなさんや関係者の方々とお客さんや試合を観に来てくれたサポーターとのつながりだったり、私たちなら『ただ良い音楽をやっていればいい』って思わないのと同様に、選手のみなさんが『ただ試合に勝てばいい』だけじゃないんだという、いろんな思いを知ることができました。そこに今までサッカーやグランパスをあまり知らなかった私も、すごく共感することができました。今回の曲は内田が詞も曲も作ったんですが、この曲を歌うことでただ勝てばいいとか、ただやればいい、というところじゃないところで、音楽もスポーツも一緒なんだと思えました。これは自分たちの気持ちでもあるというか、グランパスのことを歌っているんですけど、私たちも共通するところがあるなって、心からこの曲に入り込めましたね」

Q:これから公式サポートソングを歌うバンドとして、どのような形でチームに貢献していきたいですか?

内田「もともと僕はグランパスからの退団の仕方も後悔が残っていたので、いつか恩返ししたかったというか。でもなかなか、辞めたのが10年前で、この10年間うまくいかないことも多くて。やっとこうやっていろんなご縁からお話を頂けたので、念願が叶ったというか、純粋に嬉しく思っているんですね。でもやっぱり僕らができることは音楽を通じてのことだけですし、音楽を通じてという部分がすごく大切でもあると思うんですね。そういう意味ではやれることは幅広くはないですが、こういう経歴を持った僕にしかできないこともあるだろうなとも思っています。やれることの中にある『僕らにしかできないこと』を探して突き詰めていって、それがチームの背中を押すことになればいいなと思っています」

三輪「グランパスのサポーターの方に対してもそうですが、僕らのライブを見に来てくれたお客さんが、グランパスをもっと近くにいる存在だと思ってくれたら嬉しいですね。そのまた逆もしかりなんですが。そういう関係性でありたいなと思いますね」

「…2人と同じですね(笑)。ただ、内田も三輪も言ったように、音楽を通して逆に今まで音楽好き、バンド好き、私たちを好きでいてくれていた人たちにも、グランパスやサッカーについて知っていただきたいし、本当にグランパスをきっかけに私たちを知ってくれた人たちに、本当に熱い思いを込めて作ったこの曲を知ってもらいたいです」

内田「それと音楽もサッカーもそうなんですけど、リズムってすごく大事だと思うんです。スポーツ全般そうなのかもしれないですけど。例えばサッカーの応援にしてみても、太鼓を叩いて、手拍子もするわけで。カルチャーとしては違うところにあるものなんですけど、けっこう根源的なものは一緒だなって思っていて。この曲がスタジアムなどで流れた時に、お客さんがグランパスを応援している掛け声と同じように、僕らの曲も一緒に歌ってもらえたらいいなと思います」

「aispo!第8号」 インタビューより

■Qaijff(クアイフ) プロフィール

ピアノボーカルの森彩乃、ベーシストの内田旭彦、ドラムの三輪幸宏の3名からなるプログレッシブピアノポップバンド。2012年3月、音大クラシックピアノ科出身で数々のピアノコンクール受賞歴のある森を中心に結成。2014年3月に1st full album「クアイフ」、2015年6月に1st mini album「organism」をリリースし、それぞれオリコンインディーズウィークリーチャート上位にランクインするなど現在注目を集めている。ベースの内田がグランパスの育成組織出身という縁もあり、「名古屋グランパス 2016シーズン オフィシャルサポートソング」に新曲「Don’t Stop The Music」が決定。また、2016年4月13日に同曲を収録した2nd mini album「Life is Wonderful」がリリースされるなど、今後の飛躍が期待される。

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