【連載】ラインディフェンスとはなんですか?【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】
【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】
■ラインディフェンスとはなんですか?
上記のコラムで、次のように記しました。
「システム」の見方としては、ディフェンダー(DF)のライン、ミッドフィルダー(MF)のライン、フォワード(FW)のラインと言った具合にそれぞれをラインで捉えてから、そのラインにいる選手がどのような形を作っているのかを見るのです
「ライン」とは選手の「線」といった意味です。選手を「ライン」で捉えて考えます。システムが「4-4-2」(ゴールキーパーを省略)の場合、ディフェンスのラインを見れば、4人の選手が列を作っています。その4人を「ディフェンスライン」あるいは「最終ライン」とも呼びます。ディフェンスラインが4人のシステムを「4バックシステム」と言います。
この4人のDFが一列に並び、前後左右のボールに対して、DF全員がポジショニングを調整しながらディフェンスする方法を「ラインディフェンス」と言います。このディフェンスで重要なのは、ラインの位置は、ボールの動きに連動すると言うことです。
“基本的には”ですが、相手選手がボールを下げたら全体をコンパクトに保つためにDF全員でラインを押し上げます。この場合、ディフェンスラインをコントロールするのは、センターバック(CB)のどちらかの選手になります。ただし、相手選手がフリーでボールを持って前を向いていたならば、ディフェンスラインを上げることはできません。なぜならば、フリーで前を向いてボールを持っている選手は、プレッシャーのない自由な状態にあるので、相手ディフェンスラインと味方の前線の動きがよく見えることになります。そうすると、ディフェンスラインの背後のスペースなど危険な場所にボールを出すことが可能になります。それは、守っている側からしたら、とても厄介なことです。
ラインを押し上げることにはリスクが伴います。相手がディフェンスラインの背後にボールを出してきたなら、CBやサイドバック(SB)が素早く背後をカバーする必要があります。DFの巧みな連係が必要になるのです。そういった意味でも、危険を素早く察知してリスク回避できるスピードを持ったDFが注目されるのです。
相手がボールを下げたら、DFがラインを上げているかに注視しましょう。
川本梅花