【インタビュー】#奥山泰裕 僕が現役復帰した本当の理由【会員限定】#ラインメール青森 から #コバルトーレ女川 へ
【渦中の話】奥山泰裕 僕が現役復帰した本当の理由
この度、奥山泰裕(オクヤマヤスヒロ)選手の入団が決まりましたのでお知らせ致します。https://t.co/AsNvjKmLth
— コバルトーレ女川 【公式】 (@cobaltore) December 29, 2020
■ラインメール青森FCからコバルトーレ女川へ
日本フットボールリーグ(JFL)のラインメール青森FCでアカデミーコーチを務めていた奥山泰裕が、東北社会人サッカーリーグ1部に所属するコバルトーレ女川で現役復帰、ピッチに立つこととなった。
奥山と私が話をするようになったのは、いまから7年前。ラインメールの事務所でインタビューしたのが最初だった。彼はその時から「このクラブが自分の現役最後の場所だと思ってプレーしています」と決意を語っていた。だから、一昨季末に彼から告げられた「引退します」との報告には「まだやれるよね」と率直に思い、「どうして?」という言葉が真っ先に出た。そして「だってリーグの後期は試合に使われていたじゃない。今季も契約されるものだと思っていたよ」と続ける。
「決めるまで1週間しかなくて。アカデミーをやってくれと言われたんです」
そう答えた奥山は「もう決めたことなんで」と、気持ちに整理がついているかのように話す。
「アカデミーって、育成とかユースの指導者とかをやりたいの?」
そうした質問は、すでに進路を決めた彼には意味がないことかもしれない。
「強化とかスカウティングをやりたいので、そう伝えたんですが、まずはアカデミーから始めてくれ。その後は考えるからと言われたので」
奥山の返答に、私は半信半疑だった。「本当なのか。それでいいのか」と答えを探った。それでも、奥山には家族がいるから、食わせていかないとならない。この選択が将来に生きてくれればいいと考え直して「とにかく経験だと思って頑張って」と言うしかなかった。
#奥山泰裕「ずっと前から #ラインメール青森 が自分の最後の場所になるんだと」【会員限定】#reinmeeraomori
そんな奥山がプロフェッショナルの道ではなく、どうしてアマチュアとして再び現役選手となってプレーするに至ったのか。彼の考えを知りたくて、すぐに話を聞いた。このインタビューを読んで読者はどう思うのだろうか。彼の本意がどうか伝わってほしいと私は切に願う。
■契約満了を告げられた日
――引退のセレモニーをやらなかったね。それはどうして?
奥山 昨季が始まってから「ホームの開幕戦で引退セレモニーをやらないか?」とフロントから提案がありました。自分自身が納得する、まあ納得する人なんていないかもしれないですが、僕自身が引退セレモニーをする気持ちになれなくて断りました。昨季、太田康介さんと神山竜一さんがシーズン中に引退を発表して、引退セレモニーをやってもらったじゃないですか。外から見ていて、やっぱり引退は自分で決めたかったなと思いました。
――やり切ったとかケガでもう動けないとか、そんなことがあって引退を決めたの?
奥山「やり切った」という感覚はなかったです。シーズンが終わって「来季もやるぞ」という思いでしたから。自分が勝手に思い込んでいた、というのがあるんですが、自分は「長くクラブにいた」という気持ちもあったのだと思います。
――当然だよね。東北社会人1部からJFLに昇格して、国体(第72回国民体育大会2017愛顔つなぐえひめ国体)でも優勝。2017シーズンは、Honda FCに次ぐ年間通算2位だった。常にレギュラーでチームを引っ張ってきたわけでしょ。ここまでの貢献度を考えたら、引退を自分で決められない状況を提示されたのは酷だよね。
奥山 練習最後の日に、「契約満了」と書かれたA4の紙を渡されて、そんな形で伝えられるとは思ってもいませんでした。なんだろう……。このクラブで長くプレーしてきたし、試合に出ていなかったわけでもなかった。しかもシーズン後期は身体も切れていて調子も良かった。
――後期は、試合の頭からずっと使われていたからね。
(残り 2197文字/全文: 3796文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
外部サービスアカウントでログイン
既にタグマ!アカウントをお持ちの場合、「タグマ!アカウントでログイン」からログインをお願いします。
(Facebook、Twitterアカウントで会員登録された方は「Facebookでログインする」「Twitterでログインする」をご利用ください)