川本梅花 フットボールタクティクス

【サッカー観戦術/監督采配】選手交代のセオリーとはどんなものなのか

【サッカー観戦術/監督采配】

選手交代のセオリーとはどんなものなのか

試合がはじまってしまえば、監督が試合に関与できることは少ないのです。テクニカルエリアに出て直接選手に声をかけて指示を出したり、ハーフタイムでのショートミーティングなどが挙げられます。そんな中で、「選手交代」は監督が直接ゲームに関与できる手段となります。監督が、どのような選手をピッチに送り出してくるのかは、大きなメッセージになります。

後半の15分から30分の間に選手交代をしたならば、第一に考えられるのは、交代してピッチから戻された選手に疲労が見られることが挙げられます。選手が守備の際に、自分のポジショニンに戻るのが遅れたならば、その選手が体力的に一杯一杯になっていることがうかがえます。

監督が選手交代で、2枚は切って1枚のカードを残して置く場合がありました。これは、ゴールキーパー用に残してあったのです。しかし、選手交代が3回する中で、人数枠が3人ではなく5人になった現在は、積極的に新しい選手をピッチに送り出している風景が見られます。

3人から5人に交代枠が変わったことで、逆に、安定した試合の流れをかき乱すことも出てきます。選手の交代枠の5人全員を使えばいいというものではなく、試合の流れを自分たちに引き寄せるための選択ができるかどうかが、監督の力量になってきます。

試合が劣勢で、ゴールを奪いたい時の選手交代は、「スピードがある選手」や「ヘディングが強い選手」が求められます。試合が終盤になってくると、ディフェンス陣は相当に疲れています。普段なら簡単にクリアできるボールも対処が難しくなってきます。そんな時に「スピードのある選手」を投入されたら、相手にとって苦境の状況を作れます。また、「ヘディングが強い選手」においては、相手は引いて守ってくるケースの場合に、裏に抜けるスペースが狭くなってなっているので、ロングボールを入れてヘディングでの勝負に持ち込むことで、得点チャンスが増えます。

逆に、試合勝っていて、そのままゲームを終わらせたい時には、「クローザー」と呼ばれる選手起用が必要になってきます。フォワードに替えてのディフェンダーや守備的なミッドフィルダーの起用など、試合を勝ったまま終わらせる選手の起用も、監督の仕事になってきます。

川本梅花

 

 

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