「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【監督会見 J2第40節 福岡-湘南】「指揮を執っていて、あの場所にいて、非常に清々しい想いだった」/曺貴裁監督

2017明治安田生命J2リーグ 第40節
日時:2017年11月5日(日)15:33キックオフ
会場:レベルファイブスタジアム/16,336人
結果:アビスパ福岡 2-1 湘南ベルマーレ
得点:[福岡]ウェリントン(27分)、[湘南]石川(59分)、[福岡]石津(66分)

◎曺貴裁監督(湘南);
Q:試合を振り返って
「お疲れ様でした。昨年以来、このスタジアムに来ましたけれど、少し失礼な言い方になるかもしれませんが、いままでの自分のコーチ、監督人生の中ではなかったような、サポーターの方とアビスパのスタッフ、選手の方が、これだけひとつになるという雰囲気を作られたなということで、非常にアウェイを感じました。サッカーの内容的にも、我々は一歩及ばすというか、二歩だったかもしれませんし、勝点0に終わりましたけれども、非常にスペクタクルで、お互いに勝つために足を止めず、バトルも含めて、いい試合だったなと監督として思います。

前半はちょっとウェリントンを気にしてしまってズルズルと下がってしまい、起点になられた部分もあるんですけれども、前半の残り10分くらいから、しっかりとボールを動かしてやりたいことのペースにも持って行けましたし、実際、セットプレーですけれども得点が入った後も何度もチャンスも作ることができました。あと一歩のところで終わったんですけれども、優勝が決まった後で、少し選手もほっとして難しくなる中で、これだけのお客さんが、サッカーの、フットボールの魅力を引き出してくれる雰囲気を作ってくれて、選手も、『これがJ1。J1のレベルとはこういうもので、アウェイに行けば、こういう雰囲気になる』と、いつも僕が言っていること実感できたと思います。

福岡さんにはホームで負けて、アウェイでも負けて、山形さんと合わせて1シーズンで2敗しているチームが2チームあることで、本当に優勝にふさわしいのかと言う方もいらっしゃると思いますが、今日は、たったワンプレーの怖さとか、ちょっとしたところの怖さとか、今年、我々が大事にしてきたものを改めて大事に思えた試合だったと思います。また、かつて湘南で頑張っていた子も、相手チームでファイトしていましたし、すべての意味を込めて、指揮を執っていて、あの場所にいて、非常に清々しい想いでいました。負けていうのもなんですけれども、こういうゲームがお互いにできれば、選手も成長していくでしょうし、見ている方も、またスタジアムに来ようと思ってもらえるような、そういう試合ができたのではないかと思います。

試合が始まる前から、井原さんとかアビスパのスタッフから『おめでとうございます』と言われて、『いまから試合をやるのに』と思うと気持ち的に非常に難しかったですけれども、今日の勝利に関しては、福岡のみなさんに「おめでとう」と言いたいです。『2位を目指して頑張るよ』というみなさんの言葉に対して、僕は何もではないですけれども、こういう試合を続けていけば、間違いなくそこに入っていける力のあるチームだと思いますので、陰ながら応援しています。コーチの奥野は高校時代から一緒にやっていた仲間で、よく家にも泊まりに行きました。シーズンが終わったら、また家に遊びに行きたいと思います」

Q:0-1で折り返して、追いかける立場で後半を迎えましたが、ハーフタイムには、どのような言葉をおかけになったのでしょうか?また、高山選手の復帰に関して言葉をいただけますか。
「前半の最初の20分くらいは後手を踏みましたけれども、終わりの15分くらいは悪くはなかったですし、福岡さんが勝ちたいという気持ちで後ろに引いてくることを予想していたので、そうなった時にはこういう風にしていくよということを確認しました。とにかく後ろからボンボン蹴るなと。後ろの選手が持ち出したり、ワンタッチを使ってはがして、相手のペナルティに入って行かないと、福岡さんのやりたいようにやられてしまうので。何度かボールを奪われて危ないシーンもありましたけれども、おおむね、そのゲームプランの中で選手はやってくれたと思います。交代で出た3人も、非常にいい仕事をしてくれました。

(高山)薫は「俺を出せよ、俺を出せよ」という顔をしていたので、出すのを止めようかなとも思いましたけれども、アウェイの場所での復帰になりました。8カ月以上も試合に出られなくて、キャプテンとして非常に責任も感じていたと思いますけれども、あいつが明るくリハビリをやってくれたことで、チームが負けた時とか、沈んでいる時に、選手が元気づけられたのは間違いありません。彼にとっては今年のJ2の開幕戦のような感じになりましたが、残り2試合あるので、それを大事にしてもらいたいし、明日また怪我するかもしれないし、本当に一寸先は闇ですけれども、我々を象徴するような選手がピッチに戻ってきてくれたというのはチームにとっては非常にポジティブなことで、嬉しく思います」

【中倉一志=取材・構成・写真】
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ