「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【プレイヤーズファイル】「さんまさんが気持ちよく試合に入れるように」 / 川俣慎一郎

若手主体のメンバーが出場するということは、セカンドキーパーも変わるということだ。川俣慎一郎は久しぶりのベンチ入りに胸を膨らませていた。

「去年の清水戦で入って以来。久しぶりですね」

昨年、6月27日のナビスコカップ予選リーグ第7節は、すでにどちらも決勝進出を決めているチーム同士の対戦だった。それだけに、今回の試合の方が重要度は高いと言っていいだろう。

「いつでも試合に出られるように」という言葉が出てくるかと勝手に予想していたが、川俣の口からは全く別のコメントが発せられた。

「さんまさん(佐藤昭大の愛称)が気持ちよく試合に入れるようにしっかりやりたいです」

「自分がそういう意識でやっていれば、いつか自分が試合に出ることになったら、きっとそうしてもらえると思う。まずはチームが勝つことが一番ですし、そのためにはさんまさんが良いプレーをすることが一番。このチームにいれば自然とそういう考えになりますよ」

川俣は、普段と変わらぬ表情でそう言った。

佐藤もセカンドキーパーとしての評価が高い選手ではあるが、鹿島にはかつて偉大な選手がその責務を担っていた。

「小澤さんがとにかくすごかった」

川俣は、いまもその献身的な姿がまぶたに焼き付いているという。

川俣が試合に出るときは、アクシデントが起きたときだ。しかし、有事の際に備えるだけではなく、セカンドキーパーには役目がある。試合のとき、誰よりも早くピッチに登場するのはキーパーの二人だが、彼らがどういうアップをしているのか、もう少し気にとめようと思った。

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