「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【コメント】トニーニョ・セレーゾ「個人のミスは起こり得るが、その頻度が多くなりすぎている」/明治安田生命J1リーグ1stステージ第12節 サンフレッチェ広島戦(2015.5.16)

■トニーニョ・セレーゾ監督(鹿島):

 

――2失点はどちらももったいない失点だったと思います。守備の評価をお願いします。あとジネイ選手の評価をお願いします。

 

 まず、2失点しましたが、あのような形の失点というのは今季に始まったことではありません。僕が就任してからずっと個人のミスというのは多々あって、いろんな形で修正のアプローチをしているところで、編成などいろんな話し合いをしてる最中です。サッカーの試合において個人のミスは存在するし、起こりうる可能性の一つとしてあります。ただし、その頻度というものが多くなり過ぎているという事実に対して目をつぶることもできません。そこに対してしっかり取り組まなければならない。非常に良い前半を行い、45分間ほとんどすべてを支配したわけで、相手になにもさせなかった形もできました。ただ、後半はどうしてもそうならなかった。前半あまりにも飛ばし過ぎてしまって、後半はどうしてもペースダウンしてしまうということが考えられるポイントとしてありました。

 注意しなければならなかったところでもあって、両チームに共通することですが、若い選手が多いので勢いで行ってしまう、プレーしてしまうところもあるので、そこはまだ経験を積みながら自分のペース配分とチームのペース配分、要は個人と組織のマネジメントができていないので、それはやっていきながら覚えるしかない。これは違う、ということを感じてできるようになるのであって、口頭で説明して身につくものではありません。経験が増えていくときにしかわからないものです。

 個人のミスというのは、現状の能力や技術が足りないわけなので、練習を積み重ねていくしかありません。チームとしては非常に課題が多くありましたが、この数か月は日程的に修正する部分をポイントとして指導することができませんでした。ただ、残念ながらACLを敗退してしまったので時間ができるようになりました。そこにじっくり取り組んでいければと思います。ミスは試合のなかで起こり得ることです。一番簡単なのは、だれだれのミスです、あなたの責任ですと言うこともできますが、僕はそういうタイプの指導者ではないし、いまはどうしてそのような状況になったのかを分析して少しでもそういった状況にならないようにしたり、あるいは修正したりしなければいけません。クラブのフロント、現場と共にそういった問題の修正や向上ができるようにしたいと思います。

 

 ジネイ選手についてはデビュー戦で点が取れたことは嬉しく思います。ただ、見てのとおり技術がしっかりしているのですからもう少し彼を使うということ、大きい選手だからと言って足下の技術がないわけではないし、技術はしっかりしているので、もう少しチーム全体としていちばんトップにいるFWの使い方、タメをつくるため、全体を押し上げるため、攻撃の厚みをつくるために使うという機能性をもっと考えないといけない。

 それはジネイ選手だけでなく、今日出ていた赤﨑選手、高崎選手、怪我から復帰が近くなっているダヴィ選手ら、一番深い位置にいるFWをもっと使うことによって、深さをつくれるし、相手のラインを押し下げることもできます。チームとしてトップに入っているFWをどのようにして使うかということを意識しなければなりません。クロスの練習は、今週、今季においてはいままでのなかではいちばんやった週でもあります。ただ、見てのとおりピンポイントで合わせられる、それに近いゾーンに合わせられる技術はまだ身についていないので、それをどの試合でも、どんな状況であろうと正確に蹴ることができるようにしなければいけないわけですが、昨日今日ですぐに身につくものでもありません。蹴り込まなければならないし、選手の個人の意識も1本よかったから満足するのではなく、次の2本目、3本目、4本目、5本目と10本中10本すべて良いクロスを蹴ることができるように、練習からそういった意識をもって取り組まなければならない。その努力を引き続きやっていきたいと思います。

 チームとして失点している形は、セットプレーとクロスボールからという課題があります。何に取り組まなければいけないのかは明確になっているので、時間が1週間空くなかでその調整に取り組み、課題を少しずつ修正できるように選手と共に取り組んでいきたいと思います。

 

 

 

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