群馬サッカーNEWS Gマガ

【Gマガ】ザスパ奈良知彦社長 社長退任〜乾坤一擲、最後の朝礼〜

 

Gマガ】ザスパ奈良知彦社長 社長退任〜乾坤一擲、最後の朝礼〜

 

奈良先生 ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついにこの日がやってきてしまった。2018年から3年間にわたりザスパ社長としてクラブ再生に尽力、J2復帰を実現させた奈良知彦社長が1月31日で退任する。1月29日が、社長としての最後の出社となった。クラブ広報は、最後の朝礼をザスパ公式youtubeにアップし、その様子を伝えた。サポーターとともに戦った奈良社長は、後任の森統則新社長にバトンを渡し、ザスパのリーダーとしての役目を終えた。奈良社長が築いた土台を守っていくのは、ファン・サポーターだ。

 

高校サッカー名将 2018年に社長就任

 

ザスパは2017シーズンにJ2で最下位となりJ3へ降格した。危機に瀕したクラブを救ったのが奈良社長だった。前橋商サッカー部監督として群馬サッカーを全国区へ押し上げ、市立前橋校長として学校運営に携わった。定年から3年後、ザスパ再生へ乗り出すことになった。奈良社長は、高校サッカーの戦友だった布啓一郎監督を招聘し、退路を断って戦うという意味の「乾坤一擲」のスローガンのもとJへ挑んだ。

 

 

奈良社長は、サポーターとともに戦った。2018年の始動日にはネット越しのサポーターへ向けて「ここにはネットがあるが、私とサポータの心の間にはネットはありません」と一体となって戦うことを伝えた。2018シーズンは5位でJ2復帰を果たせなかった。33節の敵地藤枝戦で、その年の昇格が事実上消えたとき、奈良社長はトラメガを片手に泣いた。サポーターも泣いた。

 

 

2019年のシーズン最終戦は、嬉し泣きだった。勝てば昇格が決まる福島戦、ザスパは渡辺広大のゴールで先制すると高澤優也のPKで追加点を奪い2−0でリード。試合終了間際に1点を返された中で、2対1の逃げ切りに成功。スタンドから駆け下りてきた奈良社長は顔をくしゃくしゃにしながら、布監督と抱き合った。そして、福島まで駆けつけた約1000人のサポーターと共に喜びを分かち合った。

 

サポーターと共に泣き、笑った3シーズン 

 

J2復帰イヤーとなった昨季は開幕新潟戦で1万1038人の観客動員を成し遂げたが、その後にコロナ禍となり、過酷なシーズンとなった。奈良社長はフロント、チーム、サポーターと一体となり困難に立ち向かった。そして就任から3シーズン後、退任を決めた。

 

最後の朝礼で伝えた「チームワーク」

 

1月29日は最後の朝礼となった。奈良社長は、就任初日から朝礼でフロントスタッフに向けて「今日の一言」を伝えていた。最後に伝えた言葉は

 

「本当のチームワークとは自らに課せられた責任分担を確実に果たすことであり、組織にとってはそれがすべてだ」

「1日を大切にせよ!その差が人生の差になる」

 

の二つの言葉だった。「チームワーク」と「1日」。その言葉に奈良社長の思いが込められていた。

 

 

そしてフロントスタッフに向けて「選手、強化部がいても、フロントがいなければサッカークラブは成り立たない。サッカークラブがあることによって地域が盛り上がり、笑顔が多くなる。みんなは大切な仕事をしている。それを忘れないでほしい。在任中はスタッフの皆さんに厳しく接したこともあったが、群馬を盛り上げていくクラブのリーダーとしての行動だったことを理解してほしい」とエールを送った。

 

信頼・団結・笑顔を実現

 

Youtubeではファン・サポーターへメッセージも送った。

 

奈良社長は「ファン・サポーターの皆さんのおかげで使命を果たすことができた。皆さんと一緒に勝利に向かって戦えたことを誇りに思う。信頼・団結・笑顔を実現できて本当にうれしかった。これからもザスパを応援していく」と語った。大役を終えた奈良社長は、今後、サポーターとしてチームを後押しする。

 

奈良社長と共に戦った3年間を忘れてはいけない。これからのクラブを守っていくのは、ファン・サポーターだ。

 

 

 

(2021.01.30)

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ