デイリーホーリーホック

「株式会社アトラエと資本業務提携およびユニフォームパートナー契約決定に伴う記者会見全文」『クラブ全体のエンゲージメントを高めて、パフォーマンスを高めていく』【ニュース】※無料記事

【写真 佐藤拓也】

質疑応答
Q.今回、資本業務提携ということで、今後の取り組みについて何か具体的に決まっていることがありましたら教えてください。
新居「我々はスポーツチーム並び会社組織の社員のやる気、エンゲージメントを計るツールを提供しています。こちらを導入いただいて、水戸ホーリーホックのチームのみならず、フロントスタッフを含めて、会社としてのエンゲージメントも高めていくための努力をしていきたいと思っております」

Q.他にもJリーグクラブがあると思いますが、他のチームと水戸ホーリーホックの違いはどこにあると思いますか?
新居「すべてのクラブを見て比較したわけではありません。ただ、一つとしてすでにある企業が支えているクラブや潤沢な資金を持っているクラブに我々があえて支援をする必要はないかなと。社会貢献ということも含め、我々が支援する価値のあるクラブであることが非常に大事だと思っていました。それだけでなく、フロントスタッフの方々、経営陣の方々と価値観や目指す方向性が一致しない限り、我々として支援のしようがないと思っています。そういう意味で沼田社長を中心に水戸ホーリーホック様は非常に高い志を持って、高い人間性をもとに、水戸ホーリーホックを地域の軸に据えながら町を活性化していこうという姿勢に我々は非常に共感を覚えました。ですので、水戸ホーリーホック様に支援することを決めました」

Q.先ほどのお話の中ですでにツールをスポーツチームに導入しているということですが。
新居「すでに我々の『wevox』というツールを、大学のスポーツ部や体育会のチームに導入されています。青山学院大学の陸上部を中心に産学で共同研究をする『wevoxチーム』を立ち上げて取り組んでいます。現状、データはまだ不十分でして、確証には至っていないのですが、おそらくエンゲージメントはスポーツチームにも影響があるだろうと、大きなファクターになるだろうということはほぼほぼ確証を持つことができています。ただ、今のところ、まだデータ上、仮説と言わせていただいております」

【写真 佐藤拓也】

Q.沼田社長に質問ですが、今回の業務提携で期待することは?
沼田「まさに我々が進めないといけないのは、働き方改革の中での社員と経営陣との関係ですね。エンゲージメントを高めることについて『wevox』を使うことによってエンゲージメントを高め、さらにスポーツクラブとしてどういったことができるかを考えていきたい。そこを楽しみにしていますし、これからの課題だと考えています」

Q.地域活性化について、どのような関りや支援をしていこうと考えていますか?
新居「先ほど申し上げた通り、社員や選手の方々のエンゲージメント全体の向上ですね。それによって、今まで以上のパフォーマンスを発揮させるような状況を作っていくことに対して、我々はノウハウを持っているので、それを提供していきます。そして、私はこの会社を16年間経営してきた経営者としての知見やノウハウもありますし、人脈もあります。その辺でお手伝いできることがありましたら、積極的に沼田社長をサポートしていきたいと考えています」

Q.提携に至る経緯について、いつぐらいから話は進んでいたのでしょうか?
沼田「2月上旬にウチの社員とアトラエ様の社員でお話をしたのが最初だったと思います。クラブの事情も含め、いろんな話をさせていただきました。その中で3月末に私が新居社長にお会いさせていただき、いろんな話をさせていただいた中で今回の決定に至りました」

Q.現在チームは好調ですが、経営面でアトラエに期待していることは?
沼田「我々は非常に小さい予算で運営しているクラブです。ただ、水戸ホーリーホックはいろんな方々に関わっていただくことが大事だと考えています。その中で新居社長は非常に大きな人脈をお持ちですし、会社の考え方と我々の企業理念が一致していることもありますので、一緒にクラブを作っていただけることに期待をしております」

Q.『wevox』はいつごろから導入される予定ですか? 具体的にどういうデータは取るのでしょうか? 練習や試合のデータになるのでしょうか?
新居「現状ではまだ進めている過程であります。練習や試合のデータではなく、選手やフロントスタッフの方々の組織や職務に対する自主的な貢献意欲ないしは意志をしっかり診断する、社会心理学に基づいたツールになっていますので、人間でいえば人間ドックみたいなものです。健康状態をしっかりチェックするようなもので、クラブやチームの理念がなかなか選手に伝わっていないことが分かったら、経営陣が選手にビジョンに対してのコミュニケーションを取る必要があるとか、そういう取り組みをすることによって、チームとして非常に強化されていくことだろうと。そういうツールをこれから導入していくこととなります」

Q.今回の資本業務提携やユニフォームパートナー契約に関して、広告宣伝としての考えもあるのでしょうか?
新居「広告宣伝の意味合いはそんなに大きくありません。実質、J2のチームのスポンサードによる費用対効果は残念ながらそれほど高くないと思っています。先ほど話しましたパトロンとしての考え方、また『wevox』の導入以外のことで言うならば、もしこのまま順調に言ってJ1昇格して、『wevox』を使って強くなったと言えるのでしたら、非常にPR効果は大きいと思っています。それ以上にわが社の社員たちが自分たちのロゴを背負って戦ってくれる選手がいることが非常にエンゲージメントの向上につながる。社内的なエンゲージメントの向上のための一つとしては非常に効果があるととらえています」

Q.出資額は公表していますか?
新居「していません」

Q.現在、チーム運営でエンゲージメントに関して課題となっていることはありますか?
沼田「Jリーグ全体の問題でもあり、我々クラブの問題でもあるのですが、クラブに対するロイヤリティーが低かったり、選手に対するビジョンの共有はまだ低いところがあります。その中で今回エンゲージメントを高めるためのツールを使い、Jリーグクラブの組織づくりという点において新しいモデルになれるんじゃないかと考えています。これから強い組織づくりを徹底的に行っていきたいと思っています」

Q.細川選手に質問なのですが、今シーズン好調な戦いを見せています。何か変わったところがあったのでしょうか?
細川「昨年から環境がだいぶ変わりました。そして、引き続きやり続けた結果だと思っています。昨年から変わったことは特になく、やり続けることをやり続けているだけですね。また、昨年からMake Value Projectという選手の人間性育成の取り組みがはじまりました。それも継続することによって、クラブ理念を理解する選手がとても多くなりました。それも現在の好調の要因の一つだと思っています。そういったことも含め、昨年からやり続けていることが現在の結果につながっていると感じています」

【写真 佐藤拓也】

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