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【六川亨の視点】2021年2月28日 J2リーグ第1節 東京ヴェルディvs愛媛FC

J2リーグ第1節 東京ヴェルディ3(2-0)0愛媛FC
15:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数3,411人
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昨シーズン12位の東京Vと21位の愛媛との開幕戦は、順位通りの結果に終わった。

ともに4-4-2システムで、東京Vはダイヤモンド型、愛媛はボックス型の中盤を採用し、DF陣からパスをつないで攻撃をビルドアップする狙いも共通していた。しかし両チームともミドルサードで相手のプレスに遭うとボールを失い、かといって前線へのロングパスは精度を欠いてなかなかつながらない。

こうしたチームとしての攻撃の手詰まり感を打開するのは個人技だったりする。

東京Vは左MFに入った小池純輝が前半37分、左サイドで切り返して右足に持ち替えるとファーを狙ったループシュート。これが「自分でもビックリ」するほど鮮やかな軌道を描き、右ポストを叩いてから愛媛ゴールに吸い込まれた。

さらに小池は前半アディショナルタイムの48分、右SB若狭大志の右クロスを胸でトラップすると、流れるような動きから右足ボレーシュート。「1点目が入ったので思い切って振ってみた」という一撃は狭い左スミを破ってチームに2点目をもたらした。

後半は疲労から足の止まった愛媛を得意のパスワークで翻弄。時折パスミスからカウンターを許したが、21分に愛媛CBのクリアミスを19歳のボランチ山本理仁(すでにJ2リーグ57試合出場)が見逃さずに押し込んで勝利を決定的なものにした。

前半に攻めあぐねたのはボランチでチームに落ち着きを与えた藤田譲瑠チマが徳島へ、技巧派のサイドアタッカー井上潮音が神戸へ移籍したことと無関係ではないと思っていた。しかし17歳のアタッカー阿野真拓が90分間フル出場してスタメン定着をアピールすれば、3-0とリードした後半34分には15歳のドリブラー橋本陸斗を永井秀樹監督はピッチに送り出した。

橋本はこれがJリーグのデビュー戦で、15歳10ヶ月26日でのJ2デビューは最年少記録である(それまでは湘南の菊地大介の16歳2ヶ月25日)。試合後の会見での第1声は「感動しました!」で、投入から2分後には小池のクロスにあわや初ゴールという惜しいシュートも放った。

元々育成には定評のある東京Vだけに、若い逸材は着々と育っているようだ。

敗れた愛媛は、今シーズンの目標はJ2残留が妥当なところだろう。監督デビューとなった和泉茂徳監督は、「攻撃も守備も前にということを目指して準備してきたので、相手はヴェルディさんでも前へ行こうと話した」というように、前線からのプレスでボールを奪取したらカウンター狙い。それができなければボールを保持してビルドアップにチャレンジした。

しかし現実は「前半からフルスロットルで前から行ったので、(後半に運動量が)落ちたのは仕方なかった」と力の差を認めざるを得なかった。リーグ戦は開幕したばかり。理想を追求するのは悪いことではない。難しいのは、どこで現実と折り合いをつけるかだ。

地元のヒーローで(南宇和高校で選手権に優勝)、G大阪や京都で指導経験のある實吉礼忠コーチの果たす役割はけして少なくないだろう。

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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