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【六川亨の視点】2021年9月25日 J1リーグ第30節 FC東京vs浦和レッズ

J1リーグ第32節 FC東京 1(1ー1)2 浦和レッズ
15:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数4,875人
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些細な差かもしれないが、当事者にとっては見逃すことはできない。何の話かというと、日程である。FC東京は3日前の22日(水曜)に名古屋と対戦した。この日はACLに出場した川崎F対鹿島、広島対C大阪、FC東京対名古屋の試合が組まれ、G大阪は湘南と天皇杯を戦った。

そして25日、FC東京は中2日で浦和と対戦。浦和は18日のリーグ戦から1週間と休養は十分だ。さらに22日に試合のあったFC東京以外の7チームは、いずれも26日に試合が組まれている。だからこそ、試合後の長谷川健太監督は「選手たちはタイトな日程のなか、きつかったけどよく走ってくれた。本当によく戦ってくれた」と逆転負けを喫したにもかかわらず選手を称え、労った。

蓄積疲労を考慮して、ディエゴ・オリベイラとアダイウトンはベンチスタートとなった。このため前線には永井謙佑を1トップに、右に渡辺凉磨、左に田川亨介、そしてトップ下に髙萩洋次郎と攻撃陣は日本人ユニットになった。浦和のキックオフで始まった試合で、DF陣に猛然とダッシュしてプレスをかけに行ったのは髙萩だった。彼の動きに呼応して永井、田川、渡辺凌もアグレッシブにプレスをかけた。そして1分、森重真人のロングパスに田川が抜け出し、あっさりと先制点を奪った。

長谷川監督がFC東京に来て2年目の2019年は優勝争いを演じた。その原動力となったのが、俊足を飛ばして前線から果敢にプレスをかけた永井でありディエゴ・オリベイラの2トップだった。彼らの動きに連動し、ボランチの橋本拳人やサイドMF東慶吾らが前線の高い位置でボールを奪うことで、「ファストブレイク」は成功した。ディエゴ・オリベイラは14ゴール、永井も9ゴールをマークして日本代表に復帰するなどチームの躍進に貢献した。

しかし20年にレアンドロとアダイウトンが加入すると、前線にブラジル人トリオを並べる3トップに変更。これはこれで破壊力はあるものの、前線からのプレスは影を潜めた。

浦和戦の前半は、2年前のFC東京を彷彿させる45分であり、長友佑都が加入した横浜FC戦や名古屋戦以上に“熱量”を感じさせる45分だった。しかし冒頭でも触れたように、青木拓矢と永井は後半途中で交代せざるを得なかったし、久しぶりのスタメンとなった髙萩と渡辺凌はゲーム体力が続かなかったのか前半でベンチに退いた。

代わりに出場したディエゴ・オリベイラも体が重く、いつものキレがまったくない。アダイウトンにいたっては、ハーフラインから無謀なドリブル突破を試みて、浦和の2~3人がかりのマークにボールを失うことの方が多かった。彼ら2人が出て来ても、ゴールの予感はまったく漂わなかった。

試合終盤は3BKにして長友を右ウイングバックにコンバートしたり、田川に代えCBブルーノ・ウヴィニを前線のパワープレー要員として起用したり、長谷川監督も打てる手は打ったが浦和ゴールをこじ開けることはできなかった。

次の試合はようやく1週間後の10月2日とコンディションを整えることはできるものの、相手は首位の川崎Fだ。彼らを驚かす意味でも、浦和戦と同じスタメンを期待したい。その方が、少なくともフラストレーションは溜まらないからだ。

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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