Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「国内で見れば一定程度の成長している足跡がある一方で、ヨーロッパの5大リーグと比較すると、入場者数や収益規模などで大きく水を空けられている事実も実行委員や理事と共有している(村井チェアマン)」~7月の理事会後の記者会見より(1)~

7月31日、JFAハウスにて7月のJリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われた。

複数回にわたって、会見での出席者のコメントをお届けしていきます。

○村井満チェアマン
「ワールドカップの関係で、理事会が先月中断していましたが、ひと月おいて今日理事会を行いました。西日本豪雨で数多くの犠牲者を出していることに、心からお悔やみ申し上げます。また現在も避難所で暮らしている方もいらっしゃいます。心よりお見舞い申し上げます。先ほど広報の方からも話しがありましたが、JリーグもJFAと連動して、義援金を送ることを決定しています。
Jリーグでもいくつかの試合が中止することとなりました。年々こうした猛暑や集中豪雨や土砂崩れなど、自然災害などによりリーグ運営が非常に苦しい中、多くの方のご協力をいただいて継続されていただいています。まず冒頭にその共有をさせていただきました。
今回、ワールドカップがありました。
結果的には歴史を変えるというか、過去の戦績を超えることはできませんでしたが、数多くの方々にサッカーに関心を持っていただいたようであります。私はロシアに3週間ほどいたために、お茶の間や新聞やTV等々の報道などにはダイレクトに接することはできませんでしたが、日本からロシアに来られる観戦の方から熱量を感じました。これを引き受ける形で、明治安田J1リーグが再開するわけですが、こうした期待感をしっかり受け止めて継続していければと思います。

イニエスタ選手、それからフェルナンドトーレス選手。イニエスタ選手は移籍の報道が発表された日は世界のニュースの3番目になりました。イニエスタ選手の移籍のニュースにリーチした方が250億人でした。一方トーレス選手はのべ100億人の方にリーチされ、2人合わせてのべ350億人の方々、世界中に報じられたと聞きました。改めてサッカーは世界のスポーツでもあります。世界中が注目しているわけですけど、こういった中にあるJリーグが、もっともっと力をつけていかないといけないと、実行委員会一同気持ちを引き締めています。

今回の議論では、実行委員会・理事会ともに25年の歩みについて、成長していきたビジネス側面や6大会連続で本大会へ出場してきた競技の側面、国内で見れば一定程度の成長している足跡がある一方で、同じタイムラインの上ではヨーロッパの5大リーグと比較しますと、入場者数や収益規模などで大きく水を空けられている事実も、実行委員や理事と共有しています。

このままでいいのかどうか、結構本質的な議論についていま深堀りをはじめていますが、このあたりが来月に向けて少し修練できればと思っています。今日についてはフットボールに関わる部分で何かを決めたわけではありませんが、このタイミングで非常に危機感を新たにしました」

~質疑応答~

Q:清水エスパルスが熱中症対策としてペットボトルの一部解禁をしました。Jリーグとしてそういった対策をされる予定はありますか?

清水エスパルス:ペットボトル持ち込み禁止の一部解禁について 2018.07.23

○村井チェアマン
「競技運営のサイドでは、飲水タイムを設けるようなケースであったり、クーリングブレイクと言われるキックオフ90分前、30分前、ハーフタイムに計測して、健康上の選手への働きかけをしています。またスタジアム等では熱中症の対策をしています。ただ今回のエスパルスのような取り決めをリーグとしているわけではありませんが、現状の運用ルールの徹底と働きかけを強化しています」

※熱中症対策ガイドライン(JFA)PDF
※「熱中症に対する知識を深め、適切な対処を」池田浩JFA医学委員長インタビュー

※フットボール本部の黒田氏が補足で回答
「各スタジアムのペットボトルの持ち込みについては、各クラブやスタジアムで運営管理規定で運用されていますので、クラブの裁量で決めています。今もうすでにペットボトルを持ち込めるクラブは複数ございます。ですので今回エスパルスが初めてということではありません。持ち込みさせるさせないを含めてクラブに任せています」

例:
FC東京の場合
※ペットボトルは持ち込み可。
https://www.fctokyo.co.jp/manners/

ベガルタ仙台の場合
◆ペットボトル
容量501ml以上のペットボトルはゲートにてお預かり、または中身を紙コップに移し替えさせていただきます。
容量500ml以下のペットボトルは、キャップ付きで持ち込み可とさせていただきます。
http://www.vegalta.co.jp/homegame/watching.html

(2)へ続く

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