【サッカーパック人気5位】 藤田晋オーナー「ひざを突き合わせて話し合い、良い結論を導いていきたい」…

中野吉之伴「子どもと育つ」

チームコーディネーターとともに新しい取り組みを始めたクラブの話

こんんばんは。
管理人の木之下です。

先週、チームコーディネーターを務める町クラブの4年生チームが秋季リーグを戦いました。11名の選手たちには「このチームにレギュラーもサブもなく、全員が1試合において半分以上の時間に出場し、チームとして戦い抜く」と伝え、リーグ戦に挑みました。

1試合目は、選手一人一人が希望するポジションで戦い0対3で敗戦。でも、後半はチーム内でポイントゲッターとなる2名の選手がいない中で戦い、大崩れすることなく粘り強くプレーできました。その結果、試合終了後に後半組がベンチに戻ってくるときは自信を得た顔つきになっていました。それをそのまま言葉に出すと、選手たちは笑みをこぼしていました。

2試合目は、フォーメーションとポジション、前後半の交代をすべてチームで決めるようにと言い、コーチ陣は一切口を挟まずに試合に臨みました。前半の序盤は相手に先制されて少しネガティブな雰囲気が流れました。正直「ちょっと崩れるかな」と思いましたが、ポイントゲッターが同点ゴールを決めると、そこから一気に逆転。すると、全員が躍動し始め、偶然対戦相手に恵まれたことも重なって5対2で勝利しました。

リーグ戦には、かなりの保護者が応援に来ました。私は直接コミュニケーションをとる機会が少ないため、1試合目の敗戦後、選手たちにすべてを任せる対応をとった時は保護者のみなさんがかなりザワつきました。ミーティング後、サポートしてくれた二人のコーチに、数人の保護者が私のことをかなり疑心暗鬼にいろいろと聞いていたようですが、私は1試合目を見て「大丈夫だ」と感じ、選手を信頼していたので気にも止めませんでした。

「勝つ試合を見たい」

息子や娘を思う親の気持ちはわかります。しかし、主語が大人になってはいけません。目の前の試合にだけ囚われ、親が思うようなベストメンバーを先発させ、交代するもことなく勝ちを得たとしても何につながるのか。試合を戦うのは選手です。

会場で試合をしていた残り7チームのほとんどがレギュラーとサブに分けられ、出場できる選手も限られていました。また試合中、監督やコーチがベンチから大声でたくさんの指示を出し、選手たちが「なぜ、そうしなければいけないのか」を理解しないままプレーしている様子が多々見られました。

保護者の中には、ベンチからずっと指示をすることがコーチの仕事だと考えている方もいたようです。これはサッカーに限らず、他のスポーツも同じだと思います。そういう指導を続けてきた結果、現状のスポーツ界はどんな状況になっているでしょうか? 日本スポーツの中でもいろんなことが進んでいるとされるサッカーですらジュニアはこれが現状です。

もちろん、保護者の協力なくしてクラブは活動できません。私はその場にいる大人同士のコミュニケーションの問題が大きいだと感じました。それはコーチと保護者とのコミュニケーションです。クラブはどんな哲学を持っているのか、どんな指導方針なのか…様々なことをコーチから伝え、その時々で保護者の思うことを話していないことが原因だと思いました。だから、2試合目終了後、この秋季リーグに明確な目標と育成計画があることを話しました。

最後に、疑問があれば遠慮なく聞いて欲しい、と。

子どもとは信頼関係が築けていますが、保護者のみなさんとはまだまだです。でも、少しずつですが、しっかりとクラブとしての考え、そして、改革の意図を言葉で伝え続けて理解をしてもらえるように会話を重ねていくつもりです。それが選手の幸せにつながります。

選手はお父さんやお母さんに認められたくてプレーしています。

ミスをして「何をやってるんだ」「やっぱりダメね」等々、ネガティブな声をかけられることは一生懸命に今の精一杯を出している選手のやる気を削ぐことにしかなりません。練習に数ヶ月間参加せず、久しぶりにプレーした選手も数名いました。でも、その選手たちも今できるプレーを必死に体現しました。

保護者にはそういうところを見てほしい!

できないこと、ダメなこと…結果に目を向けるのではなく、どんなチャレンジをしたのか、どんなイメージを持ってプレーしたのか、味方のためにプレーしたのか…選手たちの考えやイメージ、意図したその過程に目を向けてほしいです。

サッカーはミスと歩んでいくスポーツです。それがあるから成長していくことができます。そして、その先に成功もあるのです。このことを選手だけでなく、保護者にも同時に理解してもらうことは指導者の大きな仕事の一つだと思います。

また来週、日曜と月曜にリーグ戦が行われます。私は日曜しか帯同できませんが、選手たちの様子やプレーをしっかり洞察し、次につながるキッカケとできるようにサポートしていきたいと考えています。

主筆者 中野吉之伴(【twitter】@kichinosuken

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引き続き、8・9月の特集は「国際コーチ会議で感じたこと、育成への取り組み」を行っています。

この会議には、ドイツサッカー連盟・A級ライセンス保持者以上の指導者しか参加資格がありません。日本では絶対に見聞きすることのできない情報がたくさん今月も掲載されていますので、今月も応援のほどよろしくお願い申し上げます。

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