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kumamoto Football Journal

◉SPECIAL INTERVIEW がくモン〜「できるだけ、人が少ないアウェイで力になれたらと思っています」

がくモン

スアジアムは楽しい場所だ。顔なじみのサポーター同士でチームや選手について語り合ったり、美味しいものを食べたり飲んだり、愛くるしいクラブのマスコットに癒されたり、あるいは対戦相手のサポーターと交流したり…。そうしたスタジアムの空気を通して、普段応援しているのとは違う、他のクラブのイメージを感じ取る事ができる。ではロアッソ熊本というクラブのイメージはどんなものかと考えるとき、赤に染まるスタンドやスタジアムグルメ広場と合わせ、奔放な振る舞いを見せるマスコット・ロアッソ君や、いろんな人がいるサポーターの自由度の高さも特徴の1つ。2013年ごろ、熊本のゴール裏に表れた「モンズ」(くまモンの頭をかぶった数名のサポーター)も、雰囲気を盛り上げるのにひと役買った。3年が経って数が少なくなった今も、各地で対戦チームのサポーターと交流を深めているのが、「モンズ」の1人であった「がくモン」だ。先日行われたアウェイでの長崎戦の前に、インタビューを敢行。その思いを聞きました。

 

「くまモンの方が目立つやないか」と(笑)

 

ーーモンズ誕生のきっかけはなんだったんですか?

がくモン 関東在住の「さこモン」さんが、2013年の3月ですかね、何を思ったのか分からないですけど(笑)、UFOキャッチャーの景品でくまモンのかぶり物をゲットしたから、スタジアムでかぶったんです。

——その時は「さこモン」さん1人だったんですね?

松本でのさこモン

2013年3月17日に行われた松本山雅FC戦。吉田靖監督体制でのこのシーズンの初勝利に沸く熊本ゴール裏。左端に「さこモン」が見える

がくモン そうです。で、それがアウェイの松本戦(2013年第3節@アルウィン◯2−1)だったんですけど、それが最初だったと思います。その時は「さこモン」さん1体で、僕は全身タイツを着ていました(笑)。

——じゃ、まだ「がくモン」は生まれていないと。

がくモン そうです、熊本お家芸の全身タイツで(笑)。スカパー!にも抜かれたんですけど、くまモンの方が目立つやないかい、と。じゃあ全身タイツとくまモンを合わせたらハイブリッドができるなと。

——それからどう広がっていったんですか?

がくモン で、その次に、アウェイの札幌戦(2013年第11節@厚別◯3−1)の時に「わかモン」さんが加わって2体になりました。

徳島でのモンズ

2013年5月6日の徳島戦にて。たぶん、左が「がくモン」


——2013年第13節の徳島戦(@鳴門大塚◯3−0)で一気に増えました。

がくモン 徳島が僕のデビュー戦です(笑)。

——モンヘッドは各人で調達したんですか?

がくモン そうですね。ほかの人がどうやって入手したのか分からないんですけど、僕はオークションで。UFOキャッチャーで取れる自信がなかったので(笑)。

——UFOキャッチャーにチャレンジはしたんですか?

がくモン いや、僕は見た事ないですね。最初は「どこかないかなー」とめっちゃ探したんですけど全然見つからないので。オークションを見たら「まぁまぁいい値段であるなぁ」と。

——いくらで落札したんですか?

がくモン 3,000円でした。UFOキャッチャーで取るより、もしかしたら安かったのかなぁと(笑)。

——出品者はどこの方だったんですか?

がくモン 確か熊本の方だったと思います(笑)。

——そうやって少しずつ増えて、モンズは最高何人までになったんでしょう?

がくモン マックスで5人ぐらいじゃないですかね?

——当然、グループとしての仲間意識みたいなものが芽生えた?

がくモン そうですね、一緒に行動して、「うわ! くまモンがいっぱいおる!」みたいなウケを狙えるところが面白かったですね。

——いつ頃まで「モンズ」としての活動は続いたんでしょうか?

がくモン 仲間意識はありましたけど、個人個人が勝手にやっているだけで、別に「この日にやろう」という約束をしてやっていたわけではないので、1人の時もあれば5人の時もあったり。「モンヘッドはあるけどスタジアムには持ってこない」という人も結構いたりして(笑)。北九州(2013年第19節●0−7)の時がいちばん多くて、6体か7体いましたね。カメラにも抜かれたみたいで(笑)。

——やっていて楽しい事は?

がくモン 熊本サポーターに限らず、対戦相手のサポーターに興味を持ってもらったというか、仲良くしてくれるので、アウェイ遠征がすごく楽しくなりましたし、お互いのサポーター同士のイメージアップというか、そんな感じもありますよね。

——交流の最前線ですね。でも顔を出せない残念さもないですか?

がくモン それはあまりないですね(笑)。もはやかぶっているのが顔だと思っているので(笑)。

——逆に大変なことは?

がくモン まぁ、暑いのも大変ですけど、子ども達に囲まれて攻撃されるのが(笑)。あとは「中に人がいるんだろ!」とか言われて突っ込まれます(笑)。「じゃあ、くまモンは中の人いないのか?」って突っ込みたくもなりますけど(笑)、そこはまぁ、しゃべれないので、身振りで「いない、いない」って(笑)。

——キャラ建てもそれぞれで?

がくモン そうですね、それぞれで。特に「さこモン」さんなんかは意識が高かったので(笑)、絶対しゃべらなかったですし、モンヘッドを外す時も隠れて外していました。僕なんか、知り合いとだったらかぶったままでもしゃべってますし(笑)、脱ぐ時も少しは気にしますけど、スッと。

 

「熊本ってなんか面白そうなチームやないかい」

そう思ってもらえるのがすごく嬉しいです

 

ーーそもそも、「がくモン」が生まれる前の段階として、「がくモン」の中の人はいつからサッカー、ロアッソを応援するようになったんですか?

がくモン 僕、実はもともとプロ野球を見ていて、中学校のころから近鉄バッファローズを応援していたんですけど、チームがなくなったりして。マスコットのドアラが好きで中日ドラゴンズを応援していた時期もあったんですけど、大学進学で熊本に来て、「野球チームもないしなぁ」と思っていた時に、ロッソ熊本(当時)がJリーグに上がったんです。最初に見たのは2007年のJFLの最終戦、大学3年の時です。その頃はバックスタンドでぬくぬく見ていたんです。で、じわじわと友達も増えて、ツイッター(@gakumon_d)でも交流しながら。それで全身タイツで応援している人がいるというのを知って、「僕もちょっとやってみようかな」とツイッターで書いたら、「やれよやれよ」「やろうぜやろうぜ」みたいな空気になって(笑)。

——なるほど。じゃあそれまではサッカーもそんなに見ていなかったんですか。

がくモン ロッソを見に行くまでは1回も見に行った事はなかったです。

——そんな「がくモン」さんがサッカーにハマった理由は?

がくモン 野球のゲームを見るのは面白い、サッカーも似たような感じで、結果に一喜一憂できるのは楽しいなと思って。野球もサッカーも、自分は全然やらないんですけど(笑)。

——2013年に一気に広がったモンズは、残念ながら今は縮小傾向にあります。

がくモン 僕は活動を縮小しているつもりはないんですけど(笑)、「さこモン」さんが、やっぱり「モン活」は大変だということで、さっき言ったみたいに子どもにイジられたりね、体力のいる「仕事」なので(笑)、ちょっともうしんどいから、2013年の神戸との最終戦ですかね(第42節@ノエスタ●0−3)、それからちょっと下火というか、「わかモン」もだいたい同じくらいにやらなくなったんです。

——解散、というわけでもなく、自然発生的に始まったから、自然と下火になっていったと。

がくモン そうですね。

——で、そんな中でなぜ「がくモン」さんは「モン活」を1人でも続けているのか、ということなんですが。

がくモン どうしてですかね(笑)。人気者になりたいというのがひとつあったり。あとは、対戦相手のチームのサポーターにも、「熊本ってこんなチームなんや」「なんか面白そうなチームやないかい」って思ってもらえるのがすごく嬉しいですし。

——そういう反応は実際に交流して感じているわけですね。

がくモン それはありますね。「モン活」をやる前は、対戦相手のサポーターに友達なんかほぼいなかったんですけど、今は長崎だったり福岡だったり、地元の神戸や岐阜とか、友達のネットワークがたくさん広がったし、僕もよそのチームをちょっと知りながら、ウチのチームはどうなんだろうと見たり、その辺が面白いかなと。

——各地へ出かけたり交友関係が広がって、「リア充」化している?

がくモン 「リア充」というか、「モン充」ですかね(笑)。

——ネットワークの広がりは仕事にも生かされてますか?

がくモン それはないですね(笑)。でも職場にはちょっとバレています。だから同期の結婚式の余興で頼まれてかぶったり(笑)。

がくモンとヴィヴィ君

3月26日の長崎戦では、ヴィヴィ君のヘッド(手作り)をかぶった長崎サポーターとも“コラボ”

——楽しそうですね(笑)。でも、昨年は大宮のリアルディさんも熊本に来てますし、長崎にはヴィヴィくんをかぶったサポーターもいたり、マスコットをかぶって楽しむというスタンスの走りになったというか。クラブのマスコットとは違いますが(笑)。

がくモン どうですかね、それぞれのクラブで自然発生しているんだと思いますけどね。サポーターは目立ちたい人がたくさんいるし、その1つの方法として広がっているのかもしれないですね。

——いろんなスタジアムへ行って感じたことなどはありますか?

がくモン そうですね…、ノリのいいマスコットとそうでないマスコットがいる事が分かってきたとか、かな(笑)。

——でも、熊本のゴール裏にはもともと、全身タイツやアフロがいて。

がくモン 今もいますよね、チャイナドレスもいるし(笑)。

——そういう、いろんな人を受け入れる文化があるというのは感じましたか? がくモンさんは関西出身で、熊本という土地柄は排他的なところもあると言われますが。

がくモン うーん、僕は自分が楽しかったら何でもいいんです(笑)。あとは周りの人に迷惑をかけないようにして、冷たい目で見られながらも少しは楽しんでもらえたらいいのかなと思います。

——試合日のスケジュールは?

交流するがくモン

長崎のサポーターと交流するがくモン。自分で作ったネームカードを配り、「にせモンです」「怪しい熊ではありません」などと書いたスケッチブックを使った筆談でコミュニケーション

がくモン 最近はだいたいキックオフ3時間前に入って、相手サポーターの先行入場が2時間半前に始まる(アウェイゲームの場合)ので、それまで交流して、それからちょっと休憩して。

——休憩(笑)。その時は脱ぐんですか?

がくモン はい。で、2時間前になったら熊本側のサポーターが入場になるので、ダッシュで広場とかに戻って活動すると。

——今はすでに神戸にお住まいということなので、熊本のホームゲーム全部には来れませんよね?

がくモン そうですね、どうしても3、4試合かなぁと。

——では関西を拠点に行ける範囲のアウェイで活動すると。

がくモン そうですね、関西、四国。関東はサポーターもまぁまぁいるので、それよりもっと人が少なくなりそうなところを狙って、人が少ない中でできるだけ力になれるようにと思って。できるだけ熊本から来る人が少ないアウェイを重点的に回りたいなと思っているんです。

——本当にPRマンですね。

がくモン そうです、熊本PRです(笑)。それで熊本サポーターが増えてくれたらいいなぁと思いながら。対戦相手のサポーターに「熊本、行きますね!」ってよく言われるんですけど、「あっ、ホームはちょっと、いる可能性、少ないんですけど…」と思って(笑)。

——がくモンさんから見たロアッソの魅力と、学生時代を過ごした熊本という土地の魅力は?

がくモン 僕、たまに他のクラブのサポーターの人をロアッソのゴール裏に連れて行ったりすることがあるんですけど、「ウェア貸すよ」とか「一緒に応援しようよ」って言ってくれたり、サポーターはみんなあったかいですよね。熊本の魅力は、言葉にすると難しいですね。大学に入って馴染むまではちょっと時間がかかりましたけど、熊本を離れても仲良くしてくれる人がいますし。

——では、今後の目標や夢は何でしょう?

がくモン 熱烈なモンズサポーターができること、っていうのはちょっとあれですけど(笑)、いろいろ、スタジアムでもセキュリティのこととかがあっていつ引退するかも分からないので、それは覚悟しながら活動しています。

——海外進出は?

がくモン ロアッソがACLに出場すれば(笑)。

 

 

■がくモン/中の人プロフィール

兵庫県神戸市生まれ。大学進学を機に熊本に移り、2007年のJFL最終戦を観戦したのをきっかけにロアッソ熊本サポーターに。2013年、「モンズ」の1人としてデビュー。以降、各地のスタジアムに出没し、相手チームのサポーターと交流しながら熊本をPRしている。現在は神戸市在住。

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