「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第23節・町田vs盛岡/町田・相馬直樹監督、盛岡・鳴尾直軌監督、小林亮太選手、谷村憲一選手コメント(3,607文字)

■明治安田生命J3リーグ第23節18:00キックオフ
町田市立陸上競技場/2,005人
FC町田ゼルビア 0-1グルージャ盛岡
【得点者】盛岡/88分 小林亮太

 

■相馬 直樹監督(町田)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「今日も暑い中、平日のナイトゲームでしたが、たくさんの方に来ていただきました。その中で最後まで選手たちもよく戦ってくれましたが、勝利をプレゼントできませんでした。非常にありがたいスタンドからの後押しがありましたが、結果を残せずに非常に申し訳なく思っています。立ち上がりから盛岡さんが予想よりも前からプレッシングを含めて積極的にアグレッシブに来る展開となりました。試合のスケジュール上、われわれは中1週間以上空いていて、盛岡さんが中2日ということで、もう少し引いてくるという予想もしていましたが、予想外の展開でした。多少相手に長いボールで前線にポイントを作られて手こずった部分はありましたが、前半もボールを動かして良い形を作っていましたし、ただ肝心なゴールを奪えませんでした。後半も同じでしたが、ゴールを奪えなかったことが最終的な結果につながったと思っています。後半も相手がブロックを作ってきた展開の中で、盛岡さんがワイドの選手を代えて、守りながらも少し前にパワーを持たせるような形にしてきました。それでもわれわれは怖がらずに点を取りに行きましたが、リスタートを含めてゴール前の形は増えていったものの、こじ開けられずにCKを取られて、CKから失点をして敗戦という形になってしまいました。やはり点を取る部分でさらに求められるものの基準・スタンダードを上げていかないといけません。そのために大事な要素として、もう少し落ち着きが今後必要になってくるかなと感じています。ラストパスやその一つ前のトラップやパスなど、慌てる必要のないところで少しタイミングがズレて時間がかかって、相手がブロックを引いているために、絡まってしまう、そういう部分が多かったと感じています。失点の場面も考えないといけない要素ですが、点を取らないときに点を取らないと、サッカーはこうなるという試合だったのかなと思っています。点を取る取らないことも重要ですが、盛岡さんがスケジュール的に不利な状況の中、最後までタフに戦ったところにわれわれは根負けしたのかなとも思っています。連戦で間は短いですが、次に向けてこれを引きずることがないようにしたいなと思っています」

——現状、2位から4位までが団子状態の中で、今日の山口さんの結果次第ではさらに首位・山口さんとは勝ち点差が広がる状況になりますが、その差についてどのように感じていますか?
「あまりうれしい状況ではありません。(山口の)途中経過は分かりませんが、これ以上離れたくないし、これ以上離されたくないと思っています。ただ今日起きてしまったことについては、ポイントを取れなかったことについては仕方がないことです。残されているゲームが重要になりますし、残りの試合でどれだけのポイントを取れるかが重要になってきますが、他力になります。われわれは勝ち点3を取るチャンスはありますが、それ以上はありません。ポイントを積み上げていくことがすべてだと思っています」

——星野選手から遠藤選手への交代の意図は? そのあとはチャンスも増えて、バー直撃のシュートもありましたし、選手交代の成果についてはどう感じていますか?
「16人をチョイスすることやスタートの11人をチョイスすること、そしてこの試合に向けての準備をするところから勝負は当然始まっています。その中で最終的にこういう結果になったことに関しての最後の責任は私にあります。こうしておけば良かったということはいくつか持っていますが、勝つチャンスも十分あったと思います。でもそこで勝てなかったということでコーチングスタッフ、選手たちともう一段基準を上げていかないといけないのかなといろいろな意味で思っています」

——まだ試合が終わったばかりで頭の整理もついていないと思いますが、現時点で考えている修正点と、ロッカールームに戻ったときの選手の様子は、どのように感じていますか?
「一番大事なことはこの敗戦を引きずらないこと。今日のゲームに関しても、良かったと思う部分はたくさんあったと思っています。勝ちにつながらなかった部分も見ないといけないですが、次の試合まで時間があまりありませんので、次の富山戦に向けてファイティングポーズを取ることが一番大事になると思います。体のコンディションも大事ですが、心のコンディションをどれだけ高められるかが重要になります。僕自身は切り替えることを大事にしていますが、選手たちも切り替わっているように見えています。ただ実際のところは分かりません」

 

■鳴尾 直軌監督(盛岡)
——試合を振り返って。
「今日の試合はアウェイゲームということ、上位の町田相手ということ、そして中2日での試合といういろいろなことを考慮して、やれることをやろうと守備的な戦い方を選択した。とにかく我慢していればチャンスはあるだろうと、前半を0-0でしのげた。ただ後半は守備に回る時間が長過ぎて、本来はもう少し攻撃に出たかったが、守備一辺倒になってしまった。とはいえ我慢しながら0-0で終われるかなと、途中から守り切ろうという判断を下して5バックにした。その中でセットプレーからゴールを決めることができて、思い描いていた一番良い形でのゲームプランが形になったと思っている。連戦でコンディションは厳しいが、次節にまとまって戦える次につながるゲームができた」

——先ほど守備的な戦い方を選択したという話でしたが、前回対戦は同じ守備的でも5バックで今回は4バックとなりました。今回の狙いは?
「守備一辺倒になりたくないという思いがあった。2トップをしっかりと機能させながらサイドから攻撃をしかけていきたい、ボールを奪いに行くというよりはゴールを守りに行くんだよ、という意図で少し引いた位置からブロックを敷いて守備的な戦い方を選択した。布陣を代えたのは最後の時間帯だけです」

——決勝点につながるCKを取った場面では谷村選手をサイドに起用する形でしたが、その狙いは?
「彼はボールを持って前を向いたときに力を発揮できる選手。ボールに触れて前を向けて、なおかつ左利きということで右サイドハーフのほうが本人もやりやすさがあるということで彼をそのポジションで起用している。ボールを収められる選手だし、そういう意味ではサイドがベストとは思わないが、チーム全体のバランスを考えると、前線の選手は競って守備をするという役割を与えているので、谷村選手はサイドで攻撃の存在感を出してほしいという狙いでサイドハーフのポジションで使っている。落下地点に入るボールに対する執着心や守備でハードワークをすることはそんなに得意な選手ではないので、それでもゲームを動かす力はあるし、本人とってのやりやすさとチームにとって良い形を考えてサイドでプレーさせている」

 

■DF 3 小林 亮太(盛岡)
「押し込まれる状況でも0-0でいこうというゲームプランの中で、少ないチャンスで点を取れて勝てたことはうれしい。始まる前に1-0で勝っているイメージで戦おうと話していたし、勝っているイメージでいたから慌てることなく戦えたことが良かった。相手の決定機で入らなかったことが勝因でもある。あのような形でゴールを決めたのは初めて。自分の感覚でゴール前に入っていったら、ボールが来て相手も来てヘディングの瞬間は目をつむっていたので分からなかったけど、入って良かったと思う。我慢している中で最初のCKだったのではないか。残り数分のところで点を取れて、残りの時間はチーム一丸で守れた。勝ったことはうれしいけど、次は首位の山口が相手なので、また間隔が短い中での試合になる。修正して次に向けて良い準備をしていきたい」

 

■MF 10 谷村 憲一(盛岡)
「こんなに長く試合に絡むことは初めてで、最初はスタメンで出ていた。最近は途中出場だけど、こういう経験もあまりしてきていないから難しい部分はあるけど、短い時間の中でどれだけ自分のプレーをできるかがスタメンに戻るためのカギだと思っている。難しい中でもやっていかないといけない。(決勝点につながるCKを取った場面は?)実はあれは自分のミスだった。駆け引きでミスった。増田選手は僕が左利きと知っていたので、僕が右に行こうと迷って、相手を食い付かせるために足を出したら、足を出し過ぎてしまった。だから(ドリブルで)行ってしまおうと。でもあれはミスです。ウチはCKを強みとしているし、決めた小林選手はヘディングが強い選手。監督には守備も行って得意の攻撃をどんどんしかけていけと言われた」

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