「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第38節・町田vs秋田/町田・相馬直樹監督、秋田・間瀬秀一監督、下田光平選手、キローラン木鈴選手コメント

▪︎明治安田生命J3リーグ第38節11月15日(日)14:00キックオフ
町田市立陸上競技場/4,487人
FC町田ゼルビア 2-0 ブラウブリッツ秋田
【得点者】町田/7分 リ・ハンジェ、65分 鈴木崇文

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーー本日の試合の感想をお願いします。
「ホーム最終戦ということで非常にたくさんのサポーターの方々にお集まりいただきました。感謝を申し上げたいと思います。JFL、J2、J3とクラブの中では、過去最高の平均観客動員数ということで、本当にたくさんの方に支えられて今日も勝つことができました。今年、1年間ホームに駆けつけてくれた方々に感謝したいと思います。ゲームの方ですが、前日に山口さんが引き分けたということで得失点差で負けているわれわれは絶対に勝ちが必要な試合でした。そういう中で選手たちのプレーの堅さが出ないか心配でしたが、幸先良く先制点が取れて良かったです。ただ、どこか1点リードしたことで前半の10分ぐらいからセイフティーにゲームを進め、リスクを冒さないようになりました。攻めるしかない状況の秋田さんに支配されて押し込まれる場面がありましたが、ゼロで凌ぎ、自分たちでボールを保持することができて良かったです。後半は、0-0の気持ちで得点を取りにいこうと選手たちを送り出しました。今日は久しぶりに暑く、後半に選手たちの足が止まる時間帯がありましたが、秋田さんがリスクを負って攻撃してくる中で、カウンターから追加点を取れたのは大きかったと思います。そこら辺の部分は先制点があって生まれたところですし、苦しい時間をよく耐えしのいだからと思います。そういったところも含めてチーム全体として良く戦えたんじゃないかと思います。今日は出場停止の選手がいた中での勝利ですし、チームの力が試される試合でしたので、我々としては水曜日の浦和さんとの天皇杯で大敗しましたが、リスタートの意味も含めて、この試合で勝てて良かったと思います。リーグ戦はあと1試合となりましたが、われわれができるのはその試合にしっかり勝つことなので、良い準備で臨みたいです」

ーー長野が負けたことで、2位以内が確定しました。率直な感想をお願いします。
「僕自身が選手に今シーズンで2位以内という言葉を出したことがないです。また、今週もその言葉を言う必要のない状況を作ってくれた選手に非常に感謝しています。正直、上を目指してやっていくのがつらい時期がありましたが、僕の言葉についてきてくれました。決して今日で終わった訳ではないので、次のゲームに勝って一番上まで行くという気持ちを強く持って臨みたいです」

ーーリーグ最終節に優勝を決めることができる局面にいることをどう思いますか?
「まずは優勝争いができる状況というのは本当に幸せだと感じます。自分も選手時代にそうだったんですが、やはり、こういう時の選手の目標、モチベーションは選手を伸ばすことにもなりますし、自分の力以上を出せる経験をさせてくれる場面だと思います。そういう経験をしているか、していないかというのは何年後かに選手としてのキャリアに差が出るのかなと思います。昨年もリーグ最終節まで入れ替え戦を争うことができましたが、今シーズンは優勝を争うことができるのは本当に幸せだと思いますし、支えてくれた人のおかげだと思うので、そういう状況にいることに感謝して、優勝を掴めるように今週を過ごしたいと思います」

 

■間瀬 秀一監督(秋田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「テロが起こり、多くの人が命を落とす事態となったが、いまこうして私たちは日本で生きている。今日の試合前に選手たちに話したことは、その生きている人間が何をできるか。それは目の前の試合を全力で戦うこと、サッカー選手である前に人間として、全力を尽くして戦おうと約束をして試合に臨んだ。私がこのJ3の中で一番強いと感じているFC町田ゼルビアとこのタイミングでできたことに感じる部分はあるし、最後の瞬間までウチの選手たちがイチ人間として、選手たちが全力で戦ったことは誇りに思っている。ただ、試合は0-2で負けた。この結果は完全にサッカー選手としての質の差が出ている。パスの技術、シュートの技術、ヘディングの強さ、体の強さで負けている。町田はJ3で優勝とJ2昇格を目指しており、私たちは今日の試合にはクラブの最高順位が懸かっていた。でも今日負けたことで残り1戦は残っているが、このクラブが乗り越えられない8位という壁が何なのか。全力で戦ったことで何が足りないかハッキリしたと思う。この目の前の課題に対して、イチサッカー選手として成長していかなければならない。クラブも8位という壁を乗り越えるには、何が足りないかアプローチしていかなくてはならない。それを監督として見つめてやっていきたいと思う」

ーー足りないことと。それはチームとしてですか? 選手がですか?
「個人の部分が大きかったと思う。試合を見た方もそう思っていただければうれしいが、戦術で負けたとは、やるサッカーで負けたとは思っていない。違う戦術の2チームが戦った。そうなると両チームの戦術のアヤと穴が出る。そこでは負けたとは思っていない」

ーー攻撃はサイドからのクロスボールが多く、やや単調に見えましたが、それは相手の守備が厳しかったからですか?
「それはあると思う。なかなかここまでのチームはない。[4-4-2]のブロックから体も強く、予測もあり、しっかりと足を運べる。そういった選手の中でボールを動かし、前を向き、そして幅も使うところの部分で自分たちの力を発揮できなかった。自分たちの力のなさもあるが、相手に発揮させてもらえなかったのは間違いなく町田の選手たちの強さだと思う」

ーー今日の試合は精度不足に尽きると思いますが、戦術的な狙いをどの程度表現できたかについて、もう少し具体的に聞かせてください。
「最初のメンバーは間でボールを受けるメンバーで臨んでいて、ただ間で受けることを相手にさせてもらえないことは承知の上で、裏も狙っていきたかった。ただ実はこのスタジアムの芝は、われわれにとっては止める、蹴るをしづらいピッチだった。それも関係していると思う。それによっていつもならば前を向ける選手が向けなかったり、いつものコンビネーションができない前半だった。もちろん、町田はあれだけの戦いをするので少しずつ足が止まってしまう。後半は間だけではなく、裏やクロスボールに飛び込む部分でストライカータイプというか、裏も取りながらクロスボールに入っていくことを得意としている選手たちがそろっていた形だった。何度か、そして何度もそういう場面があったが、クロスの質が課題だし、一つはゴールを決められるヘディングシュートもあったと思う。でも入らなかったことが事実。数字では言えないが、今日は自分たちのサッカーをさせてもらえなかった」

 

■DF 43 下田 光平(秋田)
強気でプレーしようと思っていた
「(途中出場したときにはどんな指示を?)右側で詰まっている部分があったので、スムーズにシンプルにつなぐように指示を受けて入った。指示を受けたことは忠実にやらないといけないし、あまり最近は長い時間出ていなかったので、強気でプレーしようと思っていた。球際やセカンドボールへの反応、クロスボールを上げても最後のところではじかれたりと、個の部分は町田の選手が上だと感じた。ちょっとした部分だけど、町田はそういう部分で上回ってきたと思う。ただチャンスがないわけでもなかった。決め切る力が足りなかった」

 

■DF 2 キローラン木鈴(秋田)
相手のほうがレベルは上だった
「試合の入りは良かったけど、失点につながった場面のCKに持って行かれた場面は、自分のパスミスからだったのでもったいなかった。町田が前から来るということだったので、少し背後を狙っていこうとしていた。前半の立ち上がりは自分たちのリズムを作れずに、前半の途中からはリズムを作れた。ただ、ミスが多かったし、相手のほうがレベルは上だった。今日はプレーの精度が低かった。第3クールで一番低かったんじゃないかと思う」

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